盛岡タイムス Web News 2013年  5月 28日 (火)

       

■  イタリアンチロルの昼下がり〉175 及川彩子 アジアゴ高校の1年

     
   
     


  昨年、わが家の長女が、ここアジアゴ理数高校に進学、その1年目の学年末を迎えました。この1年、わが家にとっての新生活は、すべてが手探りでした。

  イタリアでは、小・中学の義務教育後の高等課程進学は2種類。大学進学を目指すのが5年制の文系高校か理数高校。それ以外は商業、工業、その他専門学校へ進み、資格を取って就職します。授業は午前中のみ。

  イタリア自体が学歴・競争社会ではないので、高校・大学にほとんど格差はなく、有名校は存在しません。でも国家試験である卒業試験は難しく、論文筆記と口頭試問が個別に行われ、8人の試験官のうち、4人は文部省派遣員。イタリア人にとって「人生最大の難関の一つ」なのだそうです。

  アジアゴ理数高校も、より深い理解と自発性が求められるため、頻繁に行われる試験も先生との討論式。その成績により、容赦なく落第させられてしまうので、ラテン語、物理、哲学などに、長女も戦々恐々でした。

  また学校生活に、生徒会やクラブ活動、文化祭などの行事はほとんどありませんが、先日「アクティブデイ」と称する活動日がありました。スポーツ・楽器演奏・陶芸・写真・ヨガ・ダンス・絵画・彫刻など多岐にわたる専門家たちが学校を訪問したのです。

  生徒たちは、日常の授業を離れ、興味ある分野の指導を受けられるとあって大発散。陶芸を選択した長女も英気を養い、仲間同士盛り上がったようでした〔写真〕。

  古代ユダヤに「エルサレムが滅びたのは教育が悪かったからだ」という格言があります。ユダヤ人は何かに失敗した時、教育が悪かったから、と真っ先に考えるのだそうです。

  国を守るのは、兵力ではなく学校。それが最善の防備なのだと教えています。そして学校は、他人ではなく、自分との闘いの場。

  バカンスも目前、長女の1年目の試練が無事終わろうとしています。

 


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