盛岡タイムス Web News 2013年  6月  2日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉38 菅森幸一 「オラホの・・」 

     
   
     

 焼け跡の後片付けを手伝いもせずウロウロしていたジジたちは「どごのワラスだ!」と見知らぬ人に一喝された。一緒に働いていた近所のオジサンがジジたちを見て「オラホ(自分たち)のワラシャド(子どもたち)でがんす」と、とりなしてくれた。別に仲が良い訳でもなく、もちろん親戚でもない。ジジたちにとっては日頃よく叱られるだけのただの近所のオジサンだが、ジジたちを事もなげに「オラホのワラス」と言う。この表現は地域の子どもたちへの愛情を込め、当時の大人たちがごく普通に使っていた言葉だった。

  その頃は地域の子どもは地域全体で面倒を見るというのが当たり前で、空き地や路地裏で遊んでいる子どもたちの周辺には、温かな大人の目配りや気配りがいつもなされ、特にもヨチヨチ歩きの幼児などのそばには、近くのお年寄りの目を細めた笑顔が常に寄り添っていた。

  近所の大人たちにかわいがられ叱られてジジたちは成長していった。叱られることは当然と受け止めていたし、大人たちも叱ることを恐れなかった。知らず知らずのうちに「礼儀や躾(しっけ)」を地域全体の中で教えられていたんだよ。


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