盛岡タイムス Web News 2013年  6月  3日 (月)

       

■  〈幸遊記〉126「高橋日出男のケニーバレル収集」照井顕


  シンコーミュージック・エンタティメントから2012年12月30日発売になった“ジャズギター・レジェンズ”のVol・2は、ジャズに品格を与え続ける巨匠ケニー・バレル(81)の本である。「洗練されたブルース感覚で華麗にスイングする王道ジャズの重鎮、その音楽と生涯」と扉にある。

  この本を、僕に「プレゼントします!」と持って来てくれたのは、おちずさんとバレルが命というケニーの超大ファン「サンライズマン」こと高橋日出男さん(55)。彼がケニーバレルのギターに出合ったのは中学時代の1972年。FMから流れてきた「グリーンスリーブス」その美しいメロディーとギターの音色に感動して、名前をノートに走り書きしたのが始まりだったという。その年、ケニーは41才。すでに26枚ものリーダーアルバムを発表していたが、サンライズ少年は、生涯かけて彼の作品を全部集めようと思ったという。

  高校生になった彼は、早速盛岡駅前にあった「ファンタジー」という喫茶店でバイトを始め、お金を貯め買ったレコードが、あのラジオで聴いたLP「ギター・フォームズ」(1965年録音)だった。それ以降は、ケニーの新譜を買い続け、修学旅行のお土産さえも、彼のレコードだったほど。そして「ナイトソング」という1969年に録音されたLP、デュークエリントン作曲「Just A・Sittin’ And A・Rockin’」の無伴奏ギターソロに聴きほれたことが決定的となり、一音で彼と分かる本物のケニーバレルファンになり、ジャズファンになった。

  以来今日までの40年間に10回コンサートを聴き、78枚の全リーダーアルバム(海外オリジナル盤はもちろん、再発盤や日本盤の全て)を収集。さらにサイドメンとして録音した数百枚もの全ての盤(名前のクレジットがないが、弾いているのは彼という貴重盤を含む)まで収集してしまった人は、どうやら、ほんとに世界でただ一人らしい!だから先の本では、ケニーバレルの全リーダーアルバムの完全ガイドを、録音順に、曲目とそのアルバムの解説を記したディスコグラフィーの執筆を、シンコーミュージック・エンタティメントからおおせつかったのです。まさに執念!(集念?)でハイブリッジを架けた男なのです。
(カフェジャズ開運橋ジョニー店主)


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