盛岡タイムス Web News 2013年  6月  5日 (水)

       

■  参院選 追い風に乗り強気の自民 公示1カ月前 の情勢(下) 共産、幸福は近く事務所 社民、いわての判断は?


  自民党は2012年12月の衆院総選挙で政権復帰を果たし、県内も4選挙区全員が再選・当選した。民主党分裂とその後の現職平野達男氏(59)の離党による敵失、アベノミクス効果などでの高い支持率を背景に、参院選も岩手選挙区(改選1)で約20年ぶりの党国会議員誕生に向けて鼻息が荒い。最大の好機に擁立されたのは新人田中真一氏(46)。いわゆる「落下傘」候補の同氏を、追い風に乗せて国政へ押し上げられるのか。党県連(鈴木俊一会長)の力量が問われる戦いだ。

  ■自民、公明

  「ほかの候補よりも自分が得意なのは運動量。走って走って走りまくる」。3日夜、盛岡市内のホテル。田中氏は高橋比奈子衆院議員の政治資金パーティーで約300人を前に支援を訴えた。

  県連の公募に手を挙げ、平野氏の離党騒動と同時期の3月末に応募5人の中から候補に選ばれた。「衆参のねじれ解消による安定した政権運営」を旗印に、市町村支部の引き回しを受け、浸透を図る。

  演説では旧湯田町で鉱山を経営していた先祖、北上市での仕事経験、ラグビーのコーチ経験を挙げる。「先祖が世話になった。今の私があるのも岩手の皆さんのおかげ。少しでも恩返しがしたい」と述べ「落下傘」候補のイメージ払拭(ふっしょく)にも努めている。

  連立政権を組む公明党の推薦を受け、同党の比例候補と連動。5月26日に県内4会場で開かれた、党県本部(小野寺好代表)の計4千人規模の時局講演会では、田中氏と千葉伝県連幹事長が全会場で演説。「友党」の関係を強調した。

  比例では自民党本部が公認を出した県出身者もいるが「県連は擁立の件にノータッチ。ほかの職域候補と同様の対応」(千葉幹事長)と説明する。

  全国的な自民優勢を追い風に強気な一方、「地に足が付いていない」「上滑り状態」と楽勝ムードを懸念する声も漏れる。小沢一郎氏グループに長年苦杯をなめてきたことで組織が弱体化し、高齢化した側面もある。

  民主三分割で、支持層の切り崩しも警戒する必要がある。性根を据えて臨まなければ決して安泰とはいえない。「それでも負ける要素はない」と、党関係者に自信がにじむ。

  田中氏陣営は9日に同市菜園通で事務所開き、15日には党本部から石破茂幹事長を迎えた総決起大会で前哨戦を盛り上げる。

  ■共産、幸福実現

  共産党新人の菊池幸夫氏(54)は、党県委員会(菅原則勝委員長)が衆院選直後の昨年暮れに擁立を発表。5新人の中でいち早く名乗りを上げた。5月25日に市田忠義党書記局長を迎え、同市内丸の県民会館で演説会を開いた。6日には同市内丸の水産会館ホールで事務所開きをする予定。

  菊池氏は「安倍政権の経済政策は経済実感が伴っていない。被災地の復興は進んでおらずストレスがたまった状態。TPP参加や消費増税などは復興の足を引っ張る。県民と対話する中、わが党への期待は高まっている。こうした声を受け止め、しっかり頑張れる党だと訴えたい」と意気込みを語る。

  幸福実現党新人の高橋敬子氏(51)は5日に党本部関係者とJR盛岡駅前で街頭演説。事務所は来週、同市本宮に開く予定。

  ■社民、地域政党いわて

  混戦の今回、僅差で勝敗が決まる可能性もある。その場合、選挙区候補を擁立しない政党が選勢を左右することが想定され、各陣営も看過できない。

  社民党県連合(伊沢昌弘代表)は4月末、自公政権を利するとの理由で独自候補擁立を見送った。野党との統一候補模索を表明し、比例区の戦いを先行。5月に入って民主、生活両党は独自候補を擁立し、前提が崩れた。

  その後、両党から推薦依頼を受けた。福島瑞穂党首が来県する今月8日には対応方針を決めたい考え。他党候補を応援するか、自主投票にするか、独自候補擁立論が再燃するか。選択肢は複数ある。

  地域政党いわて(飯沢匡代表)は現段階で態度表明していない。所属県議は盛岡地域3人、一関地域1人。

  飯沢代表は平野氏の発言に注目していたと話し、「もう少し時間をかけて検討したい。次の知事選のこともあり、平野氏の陣営はどこが運動の核となるか見極めたい」と語る。

  今参院選の結果が県政界に及ぼす影響を踏まえ、慎重な姿勢を見せている。

  岩手選挙区はほかに民主党新人の吉田晴美氏(41)と生活の党新人の関根敏伸氏(57)が立候補する予定。


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