盛岡タイムス Web News 2013年  6月  9日 (日)

       

■  初夏の岩手路に鈴の音響く チャグチャグ馬コ87頭が行進 繁殖馬3頭も参加

     
  見頃を迎えたアヤメの前を通過するチャグチャグ馬コの行進  
  見頃を迎えたアヤメの前を通過するチャグチャグ馬コの行進
 

 国無形民俗文化財のチャグチャグ馬コが8日、滝沢村の鬼越蒼前神社から盛岡市の盛岡八幡宮まで約13`を行進した。初夏の風物詩となっている行事にふさわしく、この日の盛岡の最高気温は27度と7月上旬並みまで上がった。沿道に詰めかけた観客も暖かい陽気の中、鈴の音を響かせて歩く馬コの行進を楽しんだ。

  今年は滝沢支部39頭、盛岡支部20頭、矢巾支部17頭の計76頭の装束馬に役員馬11頭を加えた87頭による行進。チャグチャグ馬コ保存会で購入した繁殖馬、釈競(しゃくきょう)、浄美(じょうび)、糸論(しろん)も行進に参加した。

  スタート地点となる鬼越蒼前神社には、午前8時ころから続々と馬コや引き手、乗り手らが集まってきた。参拝を済ませ、境内で馬コの装束や乗り手の衣装を整えると、同9時30分、行進が出発。4時間ほど掛けて盛岡八幡宮まで行進した。

  あいにく岩手山の姿は雲に隠れ見えなかったが、水田や見頃を迎えたアヤメと装束馬の構図を写真に収めようと大勢のカメラマンが道路脇に陣取った。首につるされたなりわや無数につけられた鈴が奏でる音が環境省の残したい日本の音風景100選に認定されているチャグチャグ馬コ。色鮮やかな装束とかわいらしい乗り手の姿に、観客からも笑みがこぼれた。

  盛岡市の熊谷悦夫さん(73)、吟子さん(69)夫妻は、紫色が美しいアヤメの前で馬コをカメラに収めた。吟子さんは「いつもは市内で見ているが、たまにはいいかなと滝沢村に来た。何十年も引き継がれているからやっぱり素晴らしい」とまちなかとは異なる緑の中を行進する馬コに感動していた。悦夫さんも「やっぱりきれいだ。衣装をつける前の馬と比べ、装束をつけるとどこか表情もにこにこして喜んでいるように見える」と話した。

  花巻市から17年ぶりにチャグチャグ馬コを見に訪れた高橋康之さん(61)、俊子さん(54)夫妻は「すごくきれいで涙が出そう。家族で馬を愛してやまない様子が分かるし、一生懸命にかわいがり、伝統を引き継いでいることが伝ってくる」と久しぶりの行進に馬と人の絆の深さを再確認していた。


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