盛岡タイムス Web News 2013年  6月  14日 (金)

       

■  本社移転や新駅設置 IGRいわて銀河鉄道 中期経営5カ年計画策定 累積赤字解消し、新ビジョン

     
   
 
累積赤字を解消し、今後10年を見据えた経営ビジョンに基づき事業を推進するIGRいわて銀河鉄道(盛岡市上田1丁目の本社)
 


  IGRいわて銀河鉄道(熊谷順太代表取締役社長)は2013年度から10年間を見据えた新・経営ビジョン、17年度まで5カ年の中期経営計画を基に事業を展開する。この中で現在盛岡市上田1丁目地内の本社機能を計画期間内に鉄道沿線へ移転するほか、4月からの運賃値下げ効果を踏まえた今後の運賃体系検討、新駅設置と老朽化駅舎の建て替えなどが盛り込まれている。13日の取締役会で最終案が示され、了承された。

  ビジョンは今後もIGRの果たしていく役割として「開業以来、地域住民の通勤通学、通院等日常生活における地域の重要な社会基盤、高齢者や高校生らにとって欠かすことのできない交通手段」、「北海道と首都圏を結ぶ貨物輸送の大動脈」の2点を挙げた。

  その上で@安全・安心を第一に、地域の旅客輸送・日本の物流の担い手として、より信頼される鉄道であり続けるA誰もが利用したくなる、お客に優しい、魅力的な鉄道B地域のかけがいのない足として将来にわたり安定的な経営に努める―を経営目標に掲げた。

  @からBそれぞれに経営方針を定め、中期経営計画で5年以内に取り組む内容が盛り込まれている。

  魅力的な鉄道に関しては、運賃体系の検討のほか▽青山〜好摩間各駅の改札時間を午後8時まで延長▽費用対効果を踏まえた自動改札機導入の検討▽滝沢、好摩、いわて沼宮内各駅からの折り返し列車、土休日ダイヤ設定など需要変化に対応した列車運行―などに取り組む。

  安定的な経営に関しては本社機能移転、新駅建設、老朽駅舎建て替えのほか▽利用客増加駅の待合室、駐輪場等の増設▽駅舎遊休スペースの商業利用などの活用による収益力向上▽鉄道林等の管理で発生する間伐材を活用したまき製造・宅配サービス事業化―など。

  本社機能は災害対応の迅速化、業務効率化や経費節減を見込み、計画期間内の移転完了を目指す。新駅は盛岡市玉山区に下田駅の計画が新市建設計画に盛り込まれているが、現段階で開設場所は特定していない。駅舎立て替えは厨川駅、渋民駅、岩手川口駅などが想定されている。

  これらに合わせて従来の組織を3部から4部体制に改変。営業力強化や危機管理担当の明確化を図る。

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  13日の取締役会では同ビジョン、経営計画のほか12年度事業・決算、輸送状況などが審議された。人事では組織力や事業推進強化の一環として新たに常勤3人、非常勤1人の取締役計4人が選任、増員された。

  12年度(第12期)決算によると、当期利益は計画より6700万円増の2億3474万円を計上し、2年連続単年度黒字となった。これにより最大4億4200万円あった累積赤字が解消され、1億3139万円の累積黒字を計上した。11年度からの貨物使用料収入の増加が主因。

  輸送状況は定期・定期外合わせて1日当たり1万3542人で計画比2・6%、11年度実績比5・5%上昇した。定期では大学生の通年定期化などが増加の要因となっており、自社部門の増加が顕著。逆に格安航空会社による空路利用の増加などで寝台特急など他社定期外の利用は減っている。


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