盛岡タイムス Web News 2013年  6月  23日 (日)

       

■ 日本の伝統美を保存継承 旧御薬園で庭師が実演 盛岡市の中央公民館 文化財庭園フォーラム きょうはシンポジウム

     
  全国の名だたる庭師が保存継承の技術を披露する見学会(22日、盛岡市中央公民館の旧南部家別邸庭園)  
  全国の名だたる庭師が保存継承の技術を披露する見学会(22日、盛岡市中央公民館の旧南部家別邸庭園)
 

 伝統的な日本庭園の保存継承を目的とした文化財庭園フォーラム(文化財庭園保存技術者協議会主催)は22、23日、盛岡市愛宕町の市中央公民館で開かれている。初日は同館敷地の旧南部家別邸庭園で協議会員である全国の有名庭師らが手入れを実演。庭園造営時の奥行きなど本来の魅力を引き出す作業が行われた。23日はシンポジウムがある。入場無料。

  別邸庭園は面積約8千平方b、園池2800平方bの回遊式庭園。17、18世紀ごろ城中で使う薬草の栽培が始まったことから御薬園(おやくえん)と命名された。18世紀初期に藩主屋敷として整備された後、大規模な造園が施された。1908(明治41)年に南部家別邸と庭園が造営された。現在所有する市は国登録記念物申請を検討・準備中。

  実演(技術見学会)には市民を含め約100人が参加。同協議会加盟の名だたる寺院などの庭師と市公園みどり課職員が担当した。手入れは21日から2日間、進められてきた。

  庭園入り口からの景色を過去の写真と比較して手入れの趣旨が説明された。松などの剪定(せんてい)のポイントが丁寧に紹介された。池東側の中島にあった低木のサツキを大胆に全伐する「荒療治」も目の前で披露された。

  吉村龍二協議会事務局次長は「池の奥の護岸など庭園の広がりが分からなくなってしまっている。庭の空間が見られなくなってしまう方がもったいない」と解説した。同庭園については「藩主に関する庭園のパフォーマンスが発揮できず他の庭園と同じく扱われるのはもったいない」と指摘する。

  協議会庭師最年長で京都の東本願寺、南禅寺を手掛ける木村衛さん(71)=植彌(うえや)加藤造園=は「京都の庭園は綿密さがあるが東北の庭園は自然が生かされていていい」と話す。「松をいかに松らしくするか。独特なねじれ、年代を感じさせる幹を見てもらうようにする」と話していた。

  同協議会評議会員の龍居竹之介龍居庭園研究所長は「庭は日常の管理が一番大事。立派に育ったと喜ぶのは木を見て庭を見ていない。造営時に庭をどう楽しんでほしかったか思いを致すこと」と庭園全体の価値に立ち返る重要性を説いた。

  同協議会(廣瀬慶寛代表、事務局・京都市)は2002年設立。価値ある日本庭園を文化財庭園として、保存継承を後世に伝え、減少する技術者の育成・確保に取り組んでいる。

  フォーラムは10回目。文化庁と会場を選び、全国各地で開かれている。15日には宮古市津軽石で東日本大震災の津波被害を受けた盛合氏庭園・盛合氏住宅の修復作業の見学会も開かれた。

  23日のシンポは午前9時45分から。文化庁の基調講演、盛岡市の庭園保護の取り組みの報告、パネルディスカッションなどが予定されている。


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