盛岡タイムス Web News 2013年  8月  2日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉161 草野悟 夏のごちそう


     
   
     

 だしの効いた上品で奥深い「三陸ワカメの茎煮」と、これまた絶品、いくらでも喉へ入っていく「一番粉の手打ちそば」。しかも非売品。さらにしかも作り主は直利庵の松井洋親方。こう来たら「うまい」を超えた陶酔、卒倒、めまい、と切りのないぜいたく三昧(ざんまい)。

  国際美味探究クラブ会長(会員2人)としましては、この時期いつも送ってくれるこの素晴らしい贈り物を待っているのですが、さすがにずぶん(自分)から催促するわけにはいきません。ヨダレを流して待つこと1カ月。「もしもし、お誕生日おめでとうございます。親方からプレゼントが。あの、どこに送ればいいですか」とかわいらしい仲居さんの声。「と、とんでもない、こっちから行きます。しかもきょう中」とか言いまして、宮古から車を飛ばして夕方、お店に到着しました。

  仏様のような優しい親方が顔を出してくださり、写真の生蕎麦と茎煮、舞茸煮など、たんまりと頂いた次第であります。しかもワイン付き。しっかりと私の誕生日を覚えていてくれた親方、実にいい人です。友人の高舘信雄君は忘れていますが、気にしていません。

  三陸のワカメは5月に刈り取りのシーズンとなり、震災で壊れた養殖棚も戻り、浜では毎日汗だくで作業をする光景があちこちに見られました。収穫の喜びこそ、何よりの「復興の光景」なのですね。三陸のワカメは全国トップクラスの品質、味の良さが中央の市場でも評価されています。その茎もまた歯ごたえが良く、しかも栄養満点、自慢の逸品なのです。直利庵の煮物は、高級昆布とかつお節を惜しげもなく使います。あっさりとした、しょうゆの味付けが素材を生かします。ぱらりとかけたゴマが香り、この上ない至福の味となります。

  来年もまた、きっと誕生日が来ます。どうぞよろしくお願いします。今週は「しかも」を3回も使ってしまいました。しかも、ずぶんだけが食べています。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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