盛岡タイムス Web News 2013年  8月  11日 (日)

       

■  水の爪痕 痛々しく 岩崎川流域で広範囲に被害 矢巾では避難続く


     
  河川からあふれた水で一帯が広範囲に冠水した矢巾町又兵エ新田(10日午前6時34分)  
  河川からあふれた水で一帯が広範囲に冠水した矢巾町又兵エ新田(10日午前6時34分)
 

 記録的な集中豪雨から一夜明けた10日、家屋の浸水や土砂崩れ、道路や鉄道、インフラの破損など被害の爪痕の大きさが浮かび上がってきた。雫石町には災害救助法が適用された。被害の大きかった盛岡地域では住民が家屋で泥出し作業、事業者が復旧作業に追われた。同日中に県内の大雨、洪水警報が全て解除され、盛岡市と紫波町は避難勧告を全て解除した。しかし矢巾町は同日午後3時時点で約200人が避難していた。同日予定された盛岡花火の祭典は北上川増水のため順延になった。

 9日の集中豪雨により、矢巾町内を流れる岩崎川があふれ、同川流域の集落で家屋が浸水、田畑が泥水に浸かり、矢巾温泉付近では崩れた土砂で、ため池が埋まった。町道は各所で分断されるなどの被害が発生した。10日になっても洪水が続き、同日午後4時10分になって、ようやく止まった。この大洪水で町内の公共施設、自治公民館などに合わせて261人が避難した。南昌山に孤立していた1人は、10日午前6時3分に自力で下山した。

  町によると、町が管理する煙山ダムを満水にし、ダムから流木とともに大量の水があふれ出し、岩崎川に架かる橋脚に流木がたまりせき止められ、堤防から越流した。この水が町中心部の住宅街に流れ、多くの床上、床下浸水の被害が発生した。町では洪水処理に追われ、床上浸水、床下浸水とも把握できない状況となっている。

     
   橋台が崩落した岩崎川橋。向こう側の建物は、住民が前夜泊まった避難所の矢次公民館(10日午前9時2分)  
   橋台が崩落した岩崎川橋。向こう側の建物は、住民が前夜泊まった避難所の矢次公民館(10日午前9時2分)
 

  岩崎川の増水で流木が集中し、せき止めたのは又兵エ新田と矢次地区の境にある下海老沼橋。流木の撤去作業は10日早朝から行われたが、同日午後4時現在でも続いていた。山王茶屋前橋が落橋、矢次地区の岩崎川橋は北側の橋台がえぐられ、通行不能となっている。

  岩崎川橋の橋台は9日深夜から10日未明にかけて流出、同日早朝に自転車で様子を見に来た人が自転車ごと転落し、救出される場面もあったという。

  同橋の前に住む男性は「大木をなぎ倒し、ばりばりばりという、すごい音を上げて削り取られた」と話し、男性宅の前は押し上げられたアスファルトが隆起していた。岩崎川橋の南側たもとには避難所となっている矢次公民館があり、15人が避難して眠りについた後に発生した。取材中も道路下の土を次々に削り取っていた。

  矢巾ショッピングセンター前の交差点付近は、矢幅駅、岩手医大にも近く、住宅街の四方から水が入り込み、幹線道路は川のような状態になっていた。通行する人は長靴履の人が多いが、深いところではひざ上まであり、長靴でも役立たない様子。

  同地内に住む娘さん宅の様子を見てきた年輩の男性は「深いところでは股くらいの深さがあった。娘の家には、かなり水が入っていた。驚いてしまいますよ」と話すと、長靴を逆さにして、中に入った水を出していた。

  同町では、さわやかハウスのほか、新田、矢巾1区、岩清水、矢次の各公民館に262人が避難、体調が悪い人には看護師や保健師がいる、さわやかハウスに移ってもらい対応した。


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