盛岡タイムス Web News 2013年  8月  15日 (木)

       

■  安全の確立最優先 岩手県交通 伊壷新社長インタビュー


     
  安全対策の向上について語る伊壷社長  
  安全対策の向上について語る伊壷社長
 

 岩手県交通の伊壷時雄社長(61)に就任の抱負を聞いた。同社は昨年から路線バスの事故が続発したため、安全運行の確立に最優先で取り組む。国土交通省、県バス協会を経て、6月から社長に就任した。公益の立場で公共交通機関の使命を果たし、サービスの向上に努める考えを示す。東日本大震災津波の被災地ではJR大船渡線のBRT運行など、復興に向けて住民の足の確保に努める。

  ―県交通の社長に就任した抱負は。

  伊壷 わたしの経歴からすると民間企業は初めて。感覚が違い戸惑っている部分がある。役所からここに来るまで4年間、県バス協会にいたので、業界の状況は理解していたつもりだが、企業に入ると具体的な問題があることが分かった。バス事業者として痛感しているのは、利用者の安全確保と安全運行が最優先課題。県交通は昨年から重大事故が5件ほど起きて、利用者、県民の信頼を失っている状況にある。最優先にやらねばならないのは、利用者の安全確保と事故防止。県交通として事故あるごとに取り組んできたが、減らない理由はさまざまあるので、早急に多角的に検証する。

  原因に何があるのかきちんと見極め、対処しなければならない。事故防止や従業員の指導教育は一朝一夕にはいかない。時間はかかっても、人命を預かる事業者として、できることから取りかかる。一番感じているのはドライバーの安全意識をいかに上げ、認識させるか。会社として今までの指導教育の内容を見ると、ドライバーの自覚につながっていないのではないかと感じる。

  県交通のドライバーは600人弱もおり、一律に意識改革するには時間がかかるが、全員自覚していないわけではない。何%か低い人がいたので、そのレベルを引き上げるのが緊急課題。そのため担当課で対応を検討し始めており、旗振り役を率先してやる。当局から助言いただきながらやっていきたい。

  ―震災被害の復旧状況は。

  伊壷 大船渡や陸前高田の営業所をどうするか。大船渡は完全に流され、一部整備工場が残っている程度。営業所をどこに固定するかという土地問題があるので、市の協力を得ながら再建したい。高田ではJRのBRTの運行を委託され、BRT営業所をつくって対応している。大船渡の営業所の方が大きな課題だ。

  また震災以降、乗務員不足が問題になっている。乗務員の確保、指導が大きな課題。震災復旧の関係で、ドライバーが建設工事関係に流れ、待遇面で乗務員を集めるのが大変。少しずつ改善はしているが、まだ足りない。質の高いドライバーに適した人を多く採用したい。県民の信頼回復が最優先課題で、心して対応したい。

  ―ツアーバスが高速乗り合いバスとして一本化されたことについては。

  伊壷 改正に伴い、ツアーバス会社が同じ乗り合い事業として道路運送上の許可事業者として運行し始めたのは評価できる。われわれも新たに算入した事業者のサービス水準に負けないようにやっていくが、価格競争に走ると、経営上の問題に大きく影響する。良質なサービス提供の部分で競争すべきだ。8月から移行したばかりで、的確に把握しきれていないが、動向を見ながら水準を上げていきたい。安全運行とドライバーの質の向上を優先しながら、サービスを上げていきたい。

  ―鉄道事業者など他の交通機関との関係は。

  伊壷 公共交通には航空機、鉄道、バス、タクシーなどそれぞれの役割がある。バスとしては飛行機や鉄道との接続の2次交通として、きちんと対応していかざるを得ない。観光面では県、商工会議所、旅館ホテルなどと連携しなければ、バス事業者は残れないので大事にしていきたい。競争より協調、協力し合いやっていく。


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