盛岡タイムス Web News 2013年  8月  16日 (金)

       

■ 再発見の魅力を発信 JR東日本盛岡支社 嶋新支社長に聞く

     
  就任の抱負を語る嶋支社長  
  就任の抱負を語る嶋支社長
 

 JR東日本盛岡支社の嶋誠治支社長(55)に就任の抱負を聞いた。JR東日本鉄道事業本部設備部担当部長などを経て、6月から盛岡支社長。東日本大震災津波の被災地の路線を復興し、安全運行に努める方針を示した。盛岡には国鉄時代の1983年に勤務し、2度目の赴任。盛岡駅西口の発展に驚きながら、変わらない岩手の魅力を再発見し、グループとして観光振興を図る。

  ―盛岡に着任した感想と抱負は。

  嶋 83年に盛岡に来て、紫波町などに勤務した。当時は国鉄の盛岡駅西口にあった工場がなくなると言っていたころ。盛岡駅の西口は変わったが、盛岡は川と橋を中心に風情や歴史が残され、西口の再開発とうまくバランスが取れている。岩手県に着任して、改めて自然に恵まれた県と実感する。奥深さがあるし、逆に言えば自然の厳しさがある。

  仕事の面ではまず安全輸送。幸い県内で大事故は起きていないが、油断せず対処していきたい。震災があり、お客さまに来てもらうことが復興につながる。新幹線の320`運行が始まり、「スーパーこまち」も入って車両は良くなった。

  東北新幹線という大きな武器を生かして来ていただく。また、乗って楽しむ列車として昨年から「ポケモントレイン」を始めた。八戸線の「東北エモーション」は食事をして、デザートを楽しんでもらう列車。岩手の食材や産品を発信するため、われわれグループとして外に発信していきたい。

  ―震災で被災した沿岸の路線復旧の見通しは。

  嶋 あれだけの被害を受け、地元から早く鉄道で復旧してという声があるのは十分承知しているが、安全の確保が大事。当然、今後も津波が来るかもしれない場所に対応するため、防潮堤などの工事をしている。その進ちょくや、場合によってはかさ上げをしなければならず、その計画や安全確保があり、街が変わる可能性があると思っている。

  街づくりと路線の整合がとれなければならないし、街との連携がある。河川や堤防の形を変える計画があれば、それに応じてわれわれの線路の形が変わってくる。それらを地元の人と協議し終えて、初めてどういう形か出てくる。また予算をどうするか。復旧には費用がかかる。民間会社として負担できるかということがある。災害には応分の負担はするが、想定以上の被害なのでどうするのか、スキームがはっきりしない。

  震災前から旅客が減って、今後どれだけの人が街に戻り、その中で利用者がどれだけいるかという懸念がある。それらを踏まえてBRTで仮復旧という提案。比較的早くできるので利用してもらい、利便性を高めるため、専用道を多くするなど。「odaca」のICカードを発行。落としても再発行できるカードなどにより、利用を高めたい。

  ―9日の大雨はお盆に秋田方面への帰省の足を直撃した。教訓は。

  嶋 雨の降り方が変わってきている。昔なら1時間に30、40_なら大雨だったが、そういうレベルでなくなった。スポット的にそれほどの降り方が普通にあることを踏まえ、防災対策を考えねばならない。ちょうどお盆に乗っていただく時期だったので、ご迷惑をかけたが、無理な走らせ方はできないので、きちんと対処する。

  ―盛岡市との山田線の社会実験など、都市交通として鉄道を活性化させる考えは。

  嶋 難しいと思っているのは都市交通としての鉄道は、都市と連携しなければできない。駅を中心とした街を作る自治体と連携しながらやっていこうと思っている。われわれにできることは、鉄道を利用してもらう形にすること。かなり前だが、東北本線の紫波中央駅を作り、矢幅駅に快速を停めるなど、地道に利用の機会を作る。仙北町の駅に保育園を作り、連携して利用してもらうなど、駅を利用してもらうひとつのパターンを作ることで、鉄道沿線に住むのが良いという形を作りたい。



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