盛岡タイムス Web News 2013年  8月  16日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉163 草野悟 矢巾の農家がお座敷列車

     
   
     

 7月の末、矢巾町にある西徳田の農家の皆さん45人ほどが沿岸を旅してくれました。矢巾から久慈へ向かい、三陸鉄道のお座敷列車に乗り込みました。このお座敷列車は、NHK「あまちゃん」で潮騒のメモリーを歌った列車です。中央にいるガイドが私です。なぜガイドをしているか、といいますと、私の友人、西徳田で農業をしているらしい高舘信雄さんから、「被災地をしっかり案内してくれ」と強引に頼まれたからです。

  この日は連休の間の日曜日。本来なら海の上で楽しく釣りをしているところでした。ところが実に楽しい団体さまで、結果、釣りよりも素敵な方々に会えた喜びが勝りました。早朝に矢巾を出発し午前9時過ぎに久慈駅に着いた頃には、バスの中で相当お飲みになってこられた人もいて、ワイワイと遠足のような雰囲気でした。

  列車が出発しますと私の出番となりました。すると、皆さん真剣に耳を傾けてくれます。相当、酔っていたように見えた方もシャキとします。元はお若いお嬢さまだったと推測できる80歳のおばあちゃんも真剣に聞いてくれました。

  野田村付近の海岸線には壊れた堤防や、原っぱになってしまった市街地、復旧工事の現場などが見えてきます。震災後の状況、そして復活に向けて頑張っている三鉄社員のことなどを話しました。また仮設住宅暮らしの大変さは、外からはなかなか見えないつらい環境にあることもお話しいたしました。窓の外を見て、話を聞いて、真剣にうなずきます。

  2年に1度の農家組合の旅行を、こうして被災地に来てくれる心意気がうれしいですね。沿岸は、いろいろな人たちがたくさん来てくれてこそ活気が出ます。組合長の吉田幸雄さん、「たくさんお土産買えよ、応援だぞ」と声を掛けてくれたせいか、皆さんたっぷりとお買いもの。うれしいですね。西徳田の農家の皆さん、本当にありがとうございました。三鉄の熱かんビール、すみませんでした。担当した三鉄の職員は、真っ青になって反省しきりです。

(岩手県中核観光コーディネーター)



本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします