盛岡タイムス Web News 2013年  8月  20日 (火)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉181 及川彩子 パーネ三昧の食卓


     
   
     

 新聞店の次はパン屋と回って始まるイタリアの朝。パーネ(パン)は、その朝に買うので、早朝から3食分のパン袋を抱え、足早に過ぎて行く人々の姿をよく見かけます。

  「朝食で糖分補給」というイタリアの教訓通り、朝食用の丸パンには、ジャムやチョコレートクリームがたっぷり。トースト用パンは、イギリスパンと呼ばれ、一般的ではなく、バターを塗る習慣もほとんどありません。

  昼食・夕食のパンは、パスタ・肉魚、各種料理の口直し用。レストランなどで、注文前からテーブルに出されるパンは、料理を待ちながら、オリーブオイルに浸し、前菜代わりにつまみます。

  そして食後、パスタの残りソースや肉汁の付いた皿を、パン切れで拭くようにして、きれいに食べるのがイタリア流。

  アジア生まれのパンは、古代エジプト人によって発酵パンに発展、ローマ人によって、パン屋が誕生したと伝えられます。今やその種類は4千以上とか。

  イタリアパンは、皮が固く、あっさりした塩味が主流。中が空洞で、バリッとした皮だけ食べるパン、バラの形をした丸パン「ローザ」、平らでモチモチした「チャバッタ=スリッパ」、牛乳を練り込んだ柔らかい「ラッテ=ミルク」、甲羅を模した「タルタルーガ=亀」、貝殻風の「マントヴァーニ」など〔写真〕。どれも鮮やかなデザインで、食欲をそそります。  

  また、ピザの原型と言われる、石のかまど焼き「フォッカッチャ」は、野菜・チーズを挟むパニーニ用、細く固い棒状の「グリッシーニ」は、生ハムなどを巻くのに最適です。塩を使わないトスカーナ地方のパンは、オリーブ油やニンニク、トマトを乗せて食べます。

  どのパンも、料理と合わせて食べるので、塩分は控えめ。食べ頃は、焼き立てではなく、パンの香りが十分に引き出される5時間後。

  食卓では「ゆっくりとパンの香りを味わう」のが、スローフードの基本のようです。


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