盛岡タイムス Web News 2013年  8月  23日 (金)

       

■  初の女性本部長 田中俊恵氏が着任会見 震災復興に総力


     
  着任会見する田中本部長  
 
着任会見する田中本部長
 

 全国の県警で初の女性本部長となった田中俊恵氏(47)が22日、着任の記者会見を行った。警察庁刑事局組織犯罪対策部国際捜査管理官を経て、20日付で岩手県警本部長に就任した。県民生活の安全安心と、東日本大震災津波の復興に総力を挙げる方針を示した。警察庁初の女性本部長人事に各方面の激励を受けており、気負わず、自然体で職務を遂行する。

  就任の抱負について「県警職員と一体になって、県民の安全と安心確保のため取り組みたい。岩手県は復興が大きな課題。県警挙げて取り組みたい」と述べた。

  1989年東大法学部卒、警察庁入り。滋賀県警を振り出しに96年警察大学教授。

  警察を志願した動機について「就職活動でさまざまな官庁や企業を訪問し、警察の仕事をしたいと思った。悪しきをくじき弱きを助ける正義を追求する仕事がしたいという、青い気持ちが強かった。警察庁は地に足の付いた国民の方々の役に立てる仕事ができると考えた」と話し、現場の緊張感にあこがれた。

  98年埼玉県警捜査2課長、2001年神奈川県警保土ケ谷署長。

  「わたしは現場の捜査経験がそれほどたくさんあるわけではない。携わったどの事件も印象深い。埼玉の捜査2課長時代に埼玉商銀の金融機関の不正融資事件があった。この事件では先行して捜索し、たくさんの捜査資料の分析にかかった。膨大な資料の分析が必要で、立件したのは後任の捜査2課長時代。金融の不良債権問題が大きく取り上げられ、破綻した商銀についてきちんとした事件化をしなければと取り組んだ。県下各署から捜査員の応援を求め、とても大きな態勢を組んで事件に取りかかったが、分析にとても時間がかかり、捜査員の高い士気を維持し、強い気持ちで事件に取り組むのに意を用いた」と振り返った。

  「このときの経験をもとに、必ず検挙するという強い気持ちが大事な半面、犯罪事実を裏付ける証拠があるかという冷静な目も必要。最後は捜査員全体のチームワーク」と、捜査の原則を立てた。

  全国初の女性本部長となったことについては、「今回とても大きく取り上げてもらい、ありがたいが、個人的に男女は意識したことはない。本部長としてしっかり職責を果たしたい。今まで25年間の警察人生で出会った多くの方からお祝いや激励のメッセージをもらっている。特に現役やOBになった女性の警察職員からもたくさんのメッセージをもらい、喜んでくれたり『元気づけられた』と言ってくれるのでうれしい。あまりプレッシャーに感じないで、自然体でやりたい」と話した。

  大震災については「被災地を訪ねたことは一度もないが、できるだけ早く被災地を訪問して自分の目で見て何ができるか考えたい。復興はまだ途上にあるということなので、警察としてもやれることはあり、全力を尽くして取り組みたい。東京にいても何もしていないという思いがあった。ここに来て被災地のため力を尽くせるチャンスをもらった」と張り切る。

  着任の印象については「あまちゃんの舞台で山海の幸はおいしく、楽しみ。賢治啄木の文学を育んだ土地であり、わたしは平家物語を昔からよく読んだので、世界遺産の平泉で、『つわものどもが夢のあと』を見てみたい。歴史のある土地で、岩手に来られたことがうれしい」と話し、ロマンを口にした。

  東京生まれ。大阪の千里ニュータウンに移り、万博の太陽の塔を見て育った。独身。盛岡には単身赴任。

  座右の銘は「一期一会」。吉川英治、司馬遼太郎、藤沢周平、平岩弓枝などを愛読する。食、旅行、温泉巡りが趣味。

  2006年には豪州大使館一等書記官。10年には内閣情報調査室。国内外の情勢に詳しい。国連難民高等弁務官の緒方貞子氏を尊敬する。


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