盛岡タイムス Web News 2013年  8月  25日 (日)

       

■ 盛岡市 玉山区総合事務所廃止へ 合併10年の節目まで3年切る 地域協が期限踏まえ住民懇

     
  玉山区設置期限が2年7カ月と迫る中、地域協が開いている地元住民との懇談会(20日夜、松内地区コミセンで)  
   玉山区設置期限が2年7カ月と迫る中、地域協が開いている地元住民との懇談会(20日夜、松内地区コミセンで)
 

 盛岡市の玉山区は、合併に伴う特例で設置されている地域自治区機能の期限が2016年3月末に到来する。玉山総合事務所や玉山区長、玉山区地域協議会(会長・福田稔新岩手農協理事、15人)などは設置10年を節目に廃止するのが合併時の約束。期限まで残り約2年7カ月。旧市村の一体感醸成を図りながら、期限後の玉山区の声を市当局にどう届け、反映させるか。地域協では地元住民と懇談会を開き、意見を集約。今年度内に市へ提言する考え。

 ■「期限後」の玉山区について懇談
  玉山区は06年1月の合併で誕生。合併時の協定で地域自治区の設置期限が設けられた。一時的な延長は可能でも永続できない。延長するにも市議会が関係条例制定を承認する必要がある。

  また、地方自治法上の地域自治区として存続する方法もある。その場合は法律上、市全域に区制を導入する必要が生じる。谷藤裕明市長は11年12月に地域協が同様の趣旨で意見書を出した際、「(市全域で)導入は考えていない」と答え、実現は難しいとの見方がある。

  民間委員による地域協は設置期限まで3年を切る中、内部に検討組織を設置。玉山区の期限後の在り方について検討してきた。地元住民の意見を聞き、提言に踏まえるため懇談会開催を決めた。

  懇談会は20日の松内地区コミュニティーセンターを皮切りにスタート。22日は巻堀地区コミセン、30日は渋民地区コミセンなど9月26日までに全12会場で開催。区内全戸へ開催案内を配布した。居住地区に関わらず自由に参加できる。時間はいずれも午後6時半から。

  地域協側が合併や地域自治区制度、地域協の役割、期限後の課題について、参加住民に説明。地域協委員と「合併して良かったこと・悪かったこと」、「期限後の住所変更」、「盛岡市民として自信と誇りを持つために」などのテーマで懇談する。

  ■事務所廃止に戸惑う住民
  「ほとんどの用事が(現在ある玉山総合)事務所で済むようにしてほしい」。松内地区コミセンの懇談会には23人が参加した。事務所廃止の説明を聞いて「行政に普段から関わっているわけではないし、すぐに意見は言えない」と戸惑う住民の声もあった。

  元市職員の地元男性は「高齢者が多い中、市から通知が来ると、何と書かれているか事務所へ聞きに来る。事務所機能がなくなれば本所(市役所本庁舎)へ行くことになり、どこへ誰に聞けばよいか分からない。それに皆(交通手段は)バイク。本所まで行けない」と実態を指摘した。

  玉山総合事務所によると、現事務所が廃止後に申請手続きなどのできる出張所となるのか、どんな市当局の部署が入居するか。期限まで3年を切る中、未定だという。事務所機能については廃止を前提に、本庁と事務所の職員とで協議が今後行われる。

  別の参加男性は「頭越しに決められてはたまらない。押し切られるのは嫌だ。やむを得ないという考えだとしても地元の合意を得てほしい」と主張した。

  福田会長は「合併から10年たてば制度がなくなる。われわれの声をうまく吸い上げられるか疑問があり、伝える仕組みを残したい。すべて本庁対応で玉山区から足を運ぶのは確かに苦痛だ。地域性などをも踏まえ、懇談会で出た意見を何点かに絞り、市当局に届ける」と話す。

  市議会議員38人のうち玉山区選出はわずか3人。地元の声をどれだけ吸い上げられるか危惧する住民も多い。制度廃止後も、住民の声を市政に反映させる仕組みや組織の検討が急務だ。


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