盛岡タイムス Web News 2013年  8月  26日 (月)

       

■  再建見通しいまだ 県央豪雨から半月 被害拡大防止に手つかず


     
   ボランティアで泥出し、泥上げなどの支援活動をする地元の市消防団第20分団、玉山区巻堀の第28分団2部(25日正午ごろ、盛岡市繋地内)  
   ボランティアで泥出し、泥上げなどの支援活動をする地元の市消防団第20分団、玉山区巻堀の第28分団2部(25日正午ごろ、盛岡市繋地内)
 

 盛岡地域を中心に襲った記録的な集中豪雨から半月が経過した。宿泊施設や道路の応急復旧が一部で進んではいるが、土砂崩れの発生した山林や傾斜地での被害拡大を食い止める対策は手つかずだ。被災した個人の住宅については、県内外からのボランティアによる泥出しなど支援の広がりがある一方、生活再建自体の見通しがついていない。冠水や土砂をかぶった水田やリンゴ畑などの被害対策も急務で、一層の支援や対応が待たれる。

  盛岡市繋のつなぎ温泉観光協会によると、加盟12施設中10施設が既に営業を再開した。27日からは毎週火曜限定の「湯めぐりチケット」の販売と利用が通常通り再開される。

  一方、地区の住宅などから排出された災害廃棄物や泥は現在も手つなぎ広場に集積されており、ボランティアらが分別作業をしている。日曜朝市は月内休止を発表している。

  観光地としてのにぎわい、活況がある一方、周辺は残った泥が乾燥して土埃を巻き上げているのも実態としてある。地元では「風評被害を考えると被害が情報発信されては困るが、被害が小規模だと思われるのも困る」と、心境は複雑だ。

  つなぎ地区の町内会や観光など26団体の関係者は26日、市当局に住民の生活再建など7項目にわたって要望活動を行う。

  同地区振興福祉推進協議会の高橋金兵衛会長は「生活不安を訴えている住民がいるのは確かだ。特に高齢者はそうだし、商店や食堂など個人事業主も商品や設備が流され、営業再開の不安もある。どこへ相談するかも分からない」と話す。

  被害が町内各地で発生した雫石町では、特に御明神地区で多くの住宅や農地、農業施設が被害を受けた。御明神四ツ家地内の農家、堂屋智さん(52)は近くの川があふれ、住宅、農業機械や資材の入った建物、繁殖和牛のいる牛舎などが軒並み浸水した。

  発生後は牛の寝る場所を確保するのに奔走し、21日に応急措置のめどが付いた。住宅や建物の片付けが二の次で、町社会福祉協議会災害ボランティアセンターのニーズ調査を受け、25日に初めてボランティアが支援に入った。建物や住宅の床下の泥出しなどの作業が行われた。

  「寝たきりの姉がおり、家から離れるわけにはいかない。再び被害が起きないように、河川の護岸改修で決壊しないようにしてもらいたい。せっかくボランティアの皆さんに協力してもらったことが無駄になってしまう」と訴える。

  冠水した田んぼで稲の刈り取りまで1カ月を切る中、水をかぶった農業機械の調整、整備する時間も足りない。町は22日に必要な支援策や対応などをまとめた広報紙号外を全戸配布したが「それどころではなかった」と目にしておらず、途方に暮れていた。


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