盛岡タイムス Web News 2013年  11月   4日 (月)

       

■ 目標は1日200人増 JR山田線の社会実験 達成に一層の周知を 通勤通学の足となるか

     
  社会実験でダイヤを増発した山田線  
  社会実験でダイヤを増発した山田線
 

 盛岡市とJR東日本盛岡支社は2016年3月まで、山田線の盛岡―上米内間で社会実験を行っている。9月30日から平日の帰宅時間帯に上下各2本増発し、通勤通学の足としての利用実績を計る。目標は1日200人の上積みだが、1カ月後の現状では目標に達していない。通勤通学の足が切り替わる時期に向け、実験の奏功に向けて、一層の周知が求められる。

  山田線は9月まで上下各6本で運行し、盛岡発の帰宅時のダイヤは午後6時59分だけで、通勤通学客から前後の時間帯に増発の要望が多かった。社会実験では下りは盛岡同6時10分、同8時39分発の2本を増発し、上米内まで運行する。上りは上米内同6時29分発、同8時59分発の2本を増発。区間内は山岸駅、上盛岡駅に停車する。

  嶋誠治同支社長は「それなりにご利用いただいているが、現段階では目標としているまでは乗られていない。定期の購入など、時期によって来年度に期待している。利用状況を見ながら、何らかの手は打っていきたい」と話し、利用増に向けて検討する。

  増発便の乗客は、既存のダイヤからの乗り換えが多く、新規の利用者はまだ少ない。1日は午後6時10分発の増発便に、盛岡駅から約30人の乗客を乗せて発車した。

  利用者の盛岡市上米内の主婦(53)は「これまでは6時59分発の便しかないので、会社が終わって2時間も待つのが嫌で、車を呼んで帰った。6時10分発の増便ができて利用しやすい。会社が終わって1時間ほど買い物して帰ればちょうど良い」と評価する。同市八幡町の会社員の女性(60)は「山田線はトイレがあって利用しやすいという高齢者がある一方、車内のマナーが良くないと思う。2人分席を占めて譲らない人がいた」と注文する。

  山田線の活性化を求めてきた市民団体の「盛岡にLRTを走らせ隊」の戸舘弘幸代表は「JR東日本管内のローカル線で増発の社会実験をするのは英断だと思うので、何とか成功させたい。私たちももっと知らしめる必要があると思い、周知を図るよう準備している。まだ沿線の人でも増発を知らない人がいる」と話す。

  同団体は路面電車のLRTによる盛岡の公共交通の活性化を構想し、その前段階として山田線の増発や新駅の設置を提唱している。

  戸舘代表は「山田線の利用者を増やすには上盛岡、山岸の駅周辺の事業所の人にもっと使ってもらえるよう、また上盛岡駅のホームは反対側にも乗降できるようにしてほしい。岩大あたりに新駅を作ったり、紅葉が丘などの高校生が盛岡駅経由で鉄道通学できるダイヤを組むとか、昼や休日も増発して、盛岡駅周辺に買い物や飲食に出掛けやすい環境を作れば、利用者は増えるのでは」と提案する。

  同市は09年策定のもりおか交通戦略で、市内の公共交通軸の充実強化の方針を打ち出している。構想ではJR線、IGR線沿いの都南、青山、玉山地区を鉄道利用地区に位置付ける。山田線の社会実験で、東西の沿線の利用の需要を探る。

  盛岡市の片岡修交通政策課長は、社会実験について「今は従来のダイヤからの乗り換えか、増発した列車に新たに乗っている人がいるのか、増減が分からない。JRと情報交換しながらPRに努めたい。一番切り替わる時期は降雪期。定期が変わる時期の動きもよく見ながら、実験の効果が上がるようにしていきたい」と話し、一層の周知を図る。
 


 


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