盛岡タイムス Web News 2013年  11月   10日 (日)

       

■  触れて生まれる探求心 生のイカの感触は 盛岡視覚支援学校 児童生徒が科学学ぶ


     
  自分の手で触れることでイカの体の構造を確かめる参加者  
  自分の手で触れることでイカの体の構造を確かめる参加者
 

 視覚に障害のある児童生徒がさまざまな感覚を使って、科学の面白さを知る、科学へジャンプin盛岡(同実行委員会主催)が9日、盛岡市北山の県立盛岡視覚支援学校(高橋勉校長、幼児児童生徒44人)で行われた。東北6県の視覚支援学校7校から児童生徒23人が参加。自分の手で実際に物に触れることで、新たな発見や探求心の芽生えにつなげた。

  ワークショップでは、児童生徒が3、4人のグループごとにさまざまなものに触れてみた。「食べ物は生き物」と題して実験したグループは、イカを生のまま1匹まるごと触った。なかなか触る機会がない感触に、最初はこわごわだった児童生徒も頭や目、足がどんな構造か、自分の手で知るうちに生き生きとした表情になった。「泳ぐときは、頭にある羽のような部分を広げる」と聞くと、羽の部分に触れ、海の中を泳いでいる姿を想像した。

  動物や宇宙、文化について知るため、桜井政太郎記念視覚障がい者のための手でみる博物館から教材として貸し出された展示もあった。太陽や地球などのミニチュアは、大きさや距離が実際と同じ比率で作られ、児童生徒は自分の体以上もある太陽に触れ、その大きさを改めて実感していた。

  高橋陽太君(盛岡視覚支援学校高等部2年)は「手で触ってみることで改めて距離や大きさが分かった。地球の内部のことも陸地の深さや海の深さなどが使われている素材の違いで分かりやすかった」と話した。

  剥製のハリセンボンやカエルの進化の過程を模型で触れた、阿部玲菜さん(同小学部2年)は「カエルはオタマジャクシの時はとってもかわいい。触ってみて足が出てしっぽがなくなるところも分かった。ハリセンボンというお魚がいることも知らなかった。触った瞬間は痛かった」と新しい発見に驚いた。

  視覚障害者は言葉だけでは分かりづらいことも、触れたり、臭いを嗅ぐことで自分の中に覚え込んでいく。同事業は、有志の教員らがボランティアで開催し、児童生徒がさまざまな分野に興味を抱く機会を提供している。東北では4年前から開催されており、本県では初めて。

  猪平眞理実行委員長は「観察や実験などは目が見えないと困難な分野だが、目が見えないことから、すべての感覚を使って学ぼうとする。視覚以外の感覚を使うことで大変効果が高く、さまざまな分野に興味関心を持つことにもつながる。何よりも子どもたちが県の枠を超えて集まる機会は、同じ仲間との交流の場としても期待されている」と話す。


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