盛岡タイムス Web News 2013年  11月   17日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉50 菅森幸一 「薪運び」

     
   
     

 学校の秋の行事に欠かせないのが薪(まき)運び。機械で切った薪を小使いさん(今の用務員さん)が割って、それを皆で軒下まで運び積み重ねる単純な作業で、暖房が薪ストーブだった当時としては欠かせない風物詩の一つだった。作業そのものは、お世辞にも楽しいと言えるものではなかったが授業がないのはうれしかった。
  高学年ともなると作業手順にも慣れ、家での手伝いの実績がものをいう。普段ならばやらせてもらえない薪割り作業も小使いさんの特別許可が出て、大威張りでマサカリを振るう奴が出てきたり、薪が崩れないように積み上げる難しい薪棚作りを取り仕切る名人が出たりと、意外な特性を発揮するようになる。いずれも、いつもの算数や国語の時間には静かにしている連中である。あまり見ることのない級友の特技に驚き、改めて級友を見直す良い機会でもあった。
  それに引き換え、学校を出たばかりの女の先生の中には、教室の外での慣れない作業にただ邪魔になるだけでウロウロしている先生もいて気の毒なくらいだったが、そんな先生も一年たつと大声で生徒を叱りつけながら泥だらけの作業ができるようになり、それはそれで、われわれは感心したものだった。


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