盛岡タイムス Web News 2013年  11月   19日 (火)

       

■  畑が台所 脱サラしてシェフ業 季節のおいしさ伝えたい ガーデンキッチン「ます家」 雫石の阿部繁樹さん


     
  オーナーシェフの阿部繁樹さん(中央)と妻の美夫子さん(左)、ホール担当の太田里美さん  
  オーナーシェフの阿部繁樹さん(中央)と妻の美夫子さん(左)、ホール担当の太田里美さん
 

 雫石町源大堂にオープンしたガーデンキッチン「ます家」がひそかな人気を呼んでいる。オーナーシェフは、旧湯田町(現西和賀町)出身の阿部繁樹さん(45)。趣味の畑作や料理が高じ、昨年、約20年間務めた精密機器会社を退職。今年6月にシェフ業を始めた。目の前に岩手山が広がる畑は、第二の台所。毎朝の仕事は、畑で本日の食材を調達すること。季節の野菜のうま味を引き出した、体に優しい食事を提供している。

  学生時代に学んだ専門は電気関係。精密機器会社への就職を機に雫石に居を構え、畑を始めた。畑作歴は15年を越え、いつしか「自分の店を」という気持ちが芽生えていった。「体力があるうちに」と2012年5月いっぱいで退職を決意。開店までの1年間で、ナチュラルフード・コーディネーターの資格を取得し、野菜中心の料理や野菜の旬などを学んできた。

  畑を始めて驚いたことがある。それは、自家栽培の採れたて野菜と市販の野菜との味の違い。例えばオクラ。出回っているオクラは小さく黒っぽいという。採れたては、大きくても柔らかく、ゆでると黄緑色に発色。ゆでた湯までが粘り気を帯びるという。

  阿部さんは「今は、トマトやキュウリも年中食べられるようになったが、旬の採れたてを味わってしまうとおいしさが違う。外見は同じでも、栄養価も違う。店では季節、季節に合ったものを提供したい」と話す。

     
  季節の野菜を主人公にした日替わりのカレー  
 
季節の野菜を主人公にした日替わりのカレー
 


  多国籍料理で、メニューはパスタやカレーなど約20種類。国産ワインなどのアルコールも提供し、夜は鍋などの和食も登場する。こだわりは、自分で育てた季節の野菜をできるだけ使い、それ以外も雫石町産や国産を使うこと。「体に優しい食材を使いたい」とも話し、自家栽培野菜では無農薬・低肥料を実現させるため、害虫は手で駆除している。

  今は大根や白菜、キャベツなどが楽しみの季節だが、「畑は勉強することばかり。今年の教訓が来年、生かせるかというと、そういうわけにはいかない」と自然相手の厳しさは季節を問わず味わう。それでも「京野菜など、雫石にない野菜も育てて提供できれば」と考えている。

  店名は、父の実家の魚屋の名を取った。店舗は山小屋風の元居酒屋を改装。カウンターやテーブル、小上がりの約30席で、自然光の入る南向き。妻の美夫子(みおこ)さん、めいの太田里美さんの3人で切り盛りしている。

  阿部さんは「お客さまに喜んでいただけた時に、一番やりがいを感じる。予約の時は、予算や年齢、希望などを聞いて献立を組み立てる。お客さまそれぞれに合うように考えることが楽しい。気軽に来ていただいて、コミュニケーションの場や安心してくつろいでいただける店になれば」と話している。

  ます家は、雫石町源大堂65の1。ランチ営業は午前11時半から午後2時半まで、ディナー営業は同5時半から同9時まで。水曜定休。電話692―5600。


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