盛岡タイムス Web News 2013年  11月   19日 (火)

       

■  〈詩人のポスト〉 「山の子のオータム・ジャズ」照井良平


   

葉影の丸太の椅子で
スコスコドンスコ ドン
ジャズを聞いている縮れ毛の女の子
白い雲の浮く草原の一本けあきの大木と
秋風の中で聞いている

  里は黄金のサザ波

雲間に
キラテカ陽が
キラテカ照りだすと
芝生がジャズに萌え出し
ピアノがふかふかーのオータム・ジャズで
ララソーファ 秋を
包み込む

そのほとりで
足は組み 両手を膝の上にして
そよと 枝先の風とスイングを打っている
視線は芝生の先のステージを指し
耳を頷かせ聞いている

ほら そこ ヒラヒラ
蝶蝶がドラムのリズムに乗り
うねって飛んでいく
ベースがボンボン青い大気を作り
ソーソラシドの元気をトランペットが送る
すると大きく大きく上下して
里に駈けていく

  その向こうに霞む
   北上川の久遠の流れ

いつしか女の子は
………椅子にもどこにも姿が見えず
座っているのは 目を素敵に聞いている
紫波のドンスコ林の
山の子だった


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