盛岡タイムス Web News 2013年  11月   21日 (木)

       

■  岩洞湖の恵みを凝縮 「わかさぎ魚醤」発売 県工技セと共同研究 盛岡市の浅沼醤油店


     
  浅沼醤油店が県工業技術センターと共同開発した「わかさぎ魚醤」  
  浅沼醤油店が県工業技術センターと共同開発した「わかさぎ魚醤」
 

 盛岡市の浅沼醤油店(浅沼宏一社長)は今月、同市玉山区の岩洞湖産ワカサギを原料とする魚醤油(ぎょしょうゆ)「わかさぎ魚醤」(50_g入り容器、1本630円)を発売した。岩洞湖漁業協同組合の協力を得て、県工業技術センターと共同研究。約3年かけて製品発売にこぎ着けた。本州一の厳寒の地、薮川の魅力を発信する特産品としてアピールする。

  ワカサギ魚醤は、岩洞湖産のワカサギと食塩だけを原料とした液体調味料。程よい塩気と魚のうま味が特徴だ。水揚げしたばかりの新鮮なワカサギを塩漬けにし、工場で約2年間発酵させて熟成。魚の内臓が持つ自己消化酵素で分解され、溶け出た液体をろ過し、火入れをして完成させる。

  魚醤は秋田県の「しょっつる」などが有名だが、ワカサギが原料の魚醤は全国でも初。海水魚を原料とした魚醤のような極端な魚臭さがなく、塩の代わりに幅広い料理に使える。てんぷらなどに振り掛けやすく、持ち運びにも便利なように、スプレータイプのミニ容器を採用。氷上釣りをイメージした和紙ラベルにもこだわった。

  原料のワカサギは、放流用稚魚を育てるため、漁協が毎年、捕獲しているもの。採卵受精後は身内や知人に分ける以外、大部分は捨てていた。これを見たワカサギ釣りファンでもある県工業技術センター食品醸造技術部上席専門研究員の畑山誠さん(50)が、貴重な地域資源を生かそうと提案した。

  臭みが少なく、健康志向の消費者にも受け入れられるように塩分控えめの商品を目指し試行錯誤。醸造温度を変えたり、生の魚と冷凍した魚の違いを比べたり。アレルギー性毒物のヒスタミンが発生していないか、安全性テストも繰り返した。

  熟成を早めるための実験もしたが、たどり着いたのは鮮度の高い魚を常温でじっくり熟成させる伝統技法。畑山さんは「魚醤そのものは難しい技術ではないが、魚を新鮮なまま処理するスピードと魚体に塩を均一になじませる管理の仕方がポイント」と語る。

  その年に生産出荷できる魚醤はミニ容器で1800本ほどという希少商品。魚醤を絞った後の魚かすも同社製品「ディップソース」の原材料として無駄なく利用している。浅沼社長(37)は「ワカサギ魚醤は技術の一里塚。三陸の水産資源、内陸の畜産資源を生かし老舗企業として地域に貢献できる商品を一つでも多く生み出したい」と意気込む。

「わかさぎ魚醤」は、同社直営店「食楽日和」、岩洞湖レストハウスなどで販売中。インターネットの同社ホームページからも購入可能。問い合わせは同社(電話019―622―2580)へ。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします