盛岡タイムス Web News 2013年  11月   28日 (木)

       

■  伐採されても鬼の手形に イチョウからストラップ 三ツ石神社の奉賛会 観光名所に待望の土産 堤眞一さん(浅岸の木工職人)制作


     
   ストラップの制作を提案した宇部功さん(右)と制作者の堤眞一さん。手前が伐採されるイチョウ。その奥が御神木のケヤキ  
   ストラップの制作を提案した宇部功さん(右)と制作者の堤眞一さん。手前が伐採されるイチョウ。その奥が御神木のケヤキ  

 さんさ踊り発祥の地として知られる盛岡市名須川町の三ツ石神社の奉賛会(赤坂俊幸会長)は、伐採する境内のイチョウを生かし、「鬼の手形」の模様を付けた携帯電話用ストラップを作った。制作は同市浅岸二ツ森に工房を構える木工職人堤眞一さん(64)。県工業技術センターの技術協力を得て完成した。土産品として小中学生にも買い求めやすい価格で販売し、岩手の魅力発信と地域振興につなげたいと意気込む。

  ストラップは縦4a、横3a、厚さ6_ほど。土鈴形にカットしたイチョウの木に、レーザーでしめ縄と鬼の手形を彫り、草木染めした和紙を型押ししている。木製品の表面に金型で模様をはめ込む県工業技術センターの特許技術「象嵌(ぞうがん)装飾体製造法」を活用した。

  ストラップの制作は、奉賛会副会長で愛宕町内会長の宇部功さん(70)が堤さんと偶然、境内で出会ったのがきっかけ。境内にある樹齢約260年の御神木のケヤキを守るため、根や枝がからんで成長を妨げている隣のイチョウを近く伐採する予定で、このイチョウを役立てる方法はないかと相談した。

  三ツ石神社には、鬼が悪さをしないと約束し手形を押したと言われる巨大な自然岩があり、県名の起源と伝えられる。「さんさ踊り」は鬼の退散を喜んだ住民の踊りが始まりとの説もあり、毎年、例大祭にはミスさんさが踊りを披露する。しかし、普段は無人で土産品の販売施設もない。

  宇部さんによると、4月から今月までに少なくとも3千人が足を運んでおり、中でも目立つのは北海道や宮城県からの修学旅行生。ボランティアでガイドを務めると「お土産はどこで買えるの?」と尋ねられることも多く、小中学生が気軽に買い求められる土産品がほしいと思っていたという。

     
   間もなく伐採される境内のイチョウの枝で試作した三ツ石神社のストラップ  
   間もなく伐採される境内のイチョウの枝で試作した三ツ石神社のストラップ  


  「これだけ大勢の人が立ち寄る施設。岩手の良さを知ってもらえるよう盛り上げ、地域振興にもつなげていくべき」と宇部さん。堤さんも「御神木のためとはいえ、長年、境内を守ってきたイチョウをむげにしては、もったいない」。ストラップに生まれ変わった姿で、多くの人の手に渡ってほしいと願う。

  技術協力した県工業技術センター企画支援部コーディネーターの浪崎安治さん(61)は「大きなプロジェクトだけでなく、小規模でも地域の活性化につながる事業をきちんと応援していきたい」と語る。

  ストラップは年越しの境内で試験販売。修学旅行生の見学が増える来年5月ごろから近所の商店や飲食店などに依頼し、本格的に売り出す計画だ。


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