盛岡タイムス Web News 2013年  12月   12日 (木)

       

■  “釜石の奇跡”感銘 発生を自分に置き換え 片田教授を講師に 滝沢東小で防災授業


     
  滝沢村の防災マップを広げ、群馬大の片田敏孝教授と身近な災害について考える滝沢東小の6年生  
  滝沢村の防災マップを広げ、群馬大の片田敏孝教授と身近な災害について考える滝沢東小の6年生
 

 東日本大震災津波の発生から2年9カ月を迎えた11日、滝沢村滝沢の滝沢東小(加藤孔子校長、児童302人)で、小中学生のほとんどが自力避難して助かった「釜石の奇跡」から学ぶ防災授業が行われた。釜石市の防災・危機管理アドバイザーで、震災前から同市の防災教育に携わる群馬大大学院工学研究科の片田敏孝教授らを講師に迎え、自分の命を自分で守ることの大切さを学んだ。

  釜石市では大震災津波で1千人を超す犠牲者が出たが、小中学生は学校にいなかった5人を除く2921人が助かった。市や学校が一丸となって防災授業や放課後も想定した避難訓練に力を入れていた成果で「釜石の奇跡」として知られる。

  加藤校長は震災当時、釜石小の校長。内陸の子どもたちにも、地域の災害の危険性を知り、自分の命を自分で守るためにはどうしたらいいのか考えてほしいと特別授業を企画した。

  片田教授が全校児童に、震災当時の釜石の子どもたちの様子を説明。「津波のときは自分一人でも生き延びろ」と言われていたことを思い出し、家族の帰りを待たず、一人で高台へ上がった小3の男の子や、地震直後に弟にジャンパーを着せ、渋る祖母を説得して逃げた小4の男の子の行動を振り返った。

  「子どもが一人では逃げられないと思うと、お父さんやお母さんも探しに戻ってきて命を落としかねない。自分の命を自分で守ることは、家族の命も守ることになる」と片田教授。「津波てんでんこ」の意味を繰り返し説いた。

  講話のあと、5、6年生は滝沢村の防災マップを使って、地域で起こる災害について学習。班ごとに防災マップを広げ、身近に起こりうる災害の危険について考えた。「川に火山泥流が流れてくる」「東小には火山灰が10aぐらい積もる」「防火水槽がたくさん設置されている」など児童たちはマップを見て気が付いたことを発表。澤和希君(6年)は「防災マップに、たくさん防火水槽が書かれていて火事に備えているのが分かった」、三田村朱栞さん(同)は「自分も、釜石の子どもたちのように自分で判断して自分の命を守れるようになりたい」と話した。

  片田教授は「災害によっても避難の方法は違う。災害が起こったとき、どうするか家族で話し合うことが、命を守るための第一歩」と呼び掛けた。

  滝沢東小でも6年生が地域の防災について調べるなど、災害への備えについて意識を高める工夫をしているが、津波が身近にある沿岸の子どもたちに比べると危機感は薄いという。加藤校長は「時間が経つと、震災も忘れがちになる。地域の災害を知り、備える意識を育てるきっかけにしたい。繰り返しフォローしていくことが大事」と話す。
 


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