盛岡タイムス Web News 2013年  12月  29日 (日)

       

■  広がる物語の世界 啄木・賢治青春館 賢治童話の絵本装丁展


     
  絵本のほか原画なども展示されている「絵本の森」  
  絵本のほか原画なども展示されている「絵本の森」
 

 もりおか啄木・賢治青春館(田口善政館長、盛岡市中ノ橋通1の1の25)2階展示ホールで1月13日まで、第61回企画展「賢治童話の装丁装画展・イーハトーブの絵本の森」が開かれている。東京・恵比寿の「ギャラリーMalle(まぁる)」が一昨年と昨年の2回にわたり賢治童話の絵本を制作したプロジェクト「装丁展」での作品を見ることができる。会場には同館に寄贈された賢治の絵本や関連資料も展示され、同じ物語でも大きく異なる挿絵の比較も楽しめる。

  「装丁展」作品の絵本は市販されているものではなく、実験的試みで制作されたもの。20人の装画家と7人の装丁家が参加し、物語のイメージに合わせて工夫されたカバーやブックマーカー、挿絵が面白い。物語が伝える情景の多様さと楽しさ、多くの人に愛され続ける賢治作品の魅力とともに、装丁という仕事の奥深さに触れることができる。

  例えば「ポラーノの広場」のカバーには、広場の風景のみが描かれている。その上にトレーシングペーパーのカバーが重なり、裏に直接描かれた動物の絵が透けて広場の絵に溶け込む。カバーは折り返しを変えると別の絵が現れ、季節の違う三つの風景が楽しめる。

  田口館長によると、装丁家、装画家、作品の組み合わせは、くじ引きで決まったものという。「『グスコーブドリの伝記』では、ヨーロッパの魔女のような世界が作られていて人気も高い。『シグナルとシグナレス』の世界は細やかな布絵で描かれる。組み合わせの偶然性もあり、今までと違う童話の世界が表現されている」と解説する。「賢治さんも自由な発想で物語を作ったが、それに負けないくらい装丁家や装画家の皆さんが世界を広げている。そこにこの企画の面白さがある」と話している。

  午前10時から午後6時まで。入場無料。12月29日から1月3日は休館。


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