盛岡タイムス Web News 2013年  12月  31日 (火)

       

■  あすから新生滝沢市 ありがとう滝沢村 124年の村制に幕


     
  124年の歴史に幕を下ろす滝沢村役場(6日)  
  124年の歴史に幕を下ろす滝沢村役場(6日)
 

 滝沢村はきょう、124年の村の歴史に幕を下ろす。人口3714人の小さな農村から出発し、戦後は開拓団の入植で農地が拡大。近年は隣接する盛岡市のベッドタウンとして人口が増え続け、5万5千人の自治体となった。あすからは新生滝沢市。農村と都市の調和を図りながら、市の歴史を刻み、住民自治の深化を目指す。

  同村は1889(明治22)年の町村制の施行で、滝沢、鵜飼、大沢、篠木、大釜の5村が合併し、誕生した。最も広い区域が滝沢だったことから、滝沢村となった。五つの地名は大字名として今まで受け継がれてきた。

  総面積は180・32平方`bで、東西約14`、南北約20`にわたる。村の花はヤマユリ、鳥はカッコウ、木はベニヤマザクラ。

  岩手山の伏流水に恵まれ、火山灰土が広がるため、特産品にはスイカ、イワナ、リンゴがある。

  スイカは県内一の出荷量を誇り、イワナは古くから湧き水を利用した養殖が盛ん。リンゴは大正期から導入され、現在は80f、約80戸の農家で生産する。2002年からは、岩手大農学部が開発した新品種の「はるか」を村内で栽培している。

     
  村から市へ張り替えられた成人式の案内看板(30日)  
  村から市へ張り替えられた成人式の案内看板(30日)
 


  自然の恵みには、宮沢賢治もほれ込んだ。「狼森と笊森、盗森」や「風の又三郎」、「ちゃんがちゃんがうまこ」など、滝沢ゆかりの文学が生まれている。民俗文化財では、農民の愛馬精神から生まれたチャグチャグ馬コをはじめ、篠木神楽や川前神楽、滝沢駒踊りや大沢田植踊りなどがある。

  名誉村民は、毎日新聞社最高顧問の上田常隆氏(故人)、プロサッカー選手の岩清水梓氏の2人。村立図書館の名が湖山図書館となっているが、上田氏の雅号「湖山」に由来する。上田氏が寄付した図書で上田文庫が開設され、村立図書館の礎となった。

  1970年には盛岡広域都市計画区域に編入され、区画整理事業で宅地などを造成。ベッドタウン化が進んだ。人口の推移では、84年4月に3万人、92年10月に4万人、99年11月に人口日本一の村となり、00年2月に5万人を達成。しかし11年、村では人口日本一の村を脱し、市制への道を選んだ。

  柳村典秀村長は「庁議室には歴代村長の写真が並んでいる。顔を見ながらふと考えました。その写真の中には祖父や父もいる。村から市になると決断した時、お墓参りで頑張るからよろしくと伝えた。村の方が良かったと決して言われないような市を作っていかなければならない」と決意を語っている。


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