盛岡タイムス Web News 2014年  1月  1日 (水)

       

■  〈企画〉滝沢市誕生 人口5万5000人 単独で市制移行 住民自治日本一の市へ 幸福感育む環境づくり

     
  郷土で営々と築かれた豊かな歴史と次々へと引き継がれる未来。南部曲がり家を守る藤倉喜久治さん宅の前庭で藤倉さんがひくチャグチャグ馬コと大沢保育園児、近所の住民=大沢  
  郷土で営々と築かれた豊かな歴史と次代へと引き継がれる未来。南部曲がり家を守る藤倉喜久治さん宅の前庭で藤倉さんがひくチャグチャグ馬コと大沢保育園児、近所の住民=大沢  


 滝沢村は2014年1月1日に市制移行し、滝沢市として新たな一歩を歩き出した。1889年の村制施行で、滝沢、鵜飼、大沢、篠木、大釜の5村が合併し、誕生した滝沢村。125年の歴史の中で数々の先人たちが築いてきた伝統や郷土の誇りをさらに発展させ、住民自治日本一の市を目指す。(第1部は特集企画、特別取材班)

  2013年11月末現在で5万5114人と、村として人口日本一を誇った同村。規模こそ市に並ぶが、国による地方分権・地域主権の流れの中では、村であることから多くの権限を享受できる状態ではないのが実情だった。

  市制を目指したもう一つの理由は、高齢化社会の到来。同市は13年11月末現在、県内で最も高齢化率の低い19・21%だが、これは今後の高齢化の加速を意味する。人口問題研究所の推計では、高齢化率は15年には21・4%、35年には31・3%まで上昇。県内で30年後に高齢化率が現在の2倍を超えるのは同市だけだ。

  市制準備室は「今の現状は盛岡のベッドタウンで、少ない企業、高齢化。満足を求めてきた行政サービスを拡充するのは限界。道路を造る、単独補助金を出すというのは、いずれ無理がくる。行政サービスで得られる満足ではなく、住民が普段の生活で感じる幸福感に着目し、幸福感を育む環境づくりを総合計画の使命にした」という。

  幸福感を育む環境づくりを共通キーワードに、誰もが取り組める環境整備を例示することが地域づくり、ひいては住民自治になる。幸せのための地域づくりをいろいろな人が一緒にやることが自治。全市民が自治を意識をすることが、住民自治日本一につながる。

  自治会連合会の瀬川幸男会長は「住民自治日本一は、自分たちが努力して初めて果たせるもの。住民自治は今まで行政からの縦割りできたものを、住民が考えて発言できる場所を作ること。行政もこれまでのようにそれも駄目だこれも駄目だではなく、地域と一緒に取り組んでいかなければ」と話す。

  市制移行で義務化された福祉事務所の設置で、住民ニーズを的確に把握し、迅速できめ細やかな福祉サービスの提供が可能になる。交付税の基準財政需要額等の算定項目が増え、財政規模の拡大、特別交付税などの増額にもつながる。自治体のイメージアップにより、地域経済の活性化や企業の進出、雇用の機会の増加などの波及効果も期待される。

  滝沢商工会の阿部正喜会長も「いつまでも人口日本一に縛られず、前向きに考えるべき。経済は移っていくもので、市になったからいきなり産業誘致ができるかは別としても、チャンスは増える。逆に言えばこれからが勝負だ」と産業界の転機と捉える。


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