盛岡タイムス Web News 2014年  1月  6日 (月)

       

■  〈幸遊記〉156 照井顕 廣橋理美のセンチメンタル・ジャーニー


 あれはNHKの朝ドラ「どんど晴れ」が放送されていた2007年夏のこと。見知らぬ一人の女性客が現れて、カウンターに座った。ステージでは来るべきコンサートに向けて練習中だったBBカプチーノの二人。肝心の曲がうまくいかないと、繰り返し、繰り返し歌っていた曲は「センチメンタル・ジャーニー」。かつて「ドリス・ディ」が歌って大ヒットした曲で、邦題は感傷旅行=uさあ気分直しの旅に出かけよう、心に安らぎを与えるために…」という意味の詩。

  四国の松山から来たという、その彼女は言った。「朝ドラを見ていたら、急に盛岡に行って、開運橋から岩手山を見たくなり、すぐに来ちゃったの」と。彼女は松山で「十六夜」という会員制クラブを経営している方だった。タバコを切らして、隣に座ってた人から2本いただいたら、四国に帰ってから、松山のさまざまな名物と一緒にタバコの方に渡して下さいと、2箱のお返しがきた。よほど印象深かったのだろうと想像した。

  そして2012年「開運橋ジョニー様・この度、移転リニューアルオープン祝≠ィめでとうございます」と、彼女が描いた菜の花≠ノ「春はもうすぐそこ…ゆらゆらと菜の花続く青い空=vの俳句を添えた手紙が届いた。何でも、あの日以来、彼女はセンチメンタル・ジャーニー≠口ずさみつつ日々を暮らしているのだと。電話では、ジョニーに来た翌年には、穐吉敏子コンサートを松山で聴き、ジャズの火がともった。それに、昔、松山のライブハウスにはジョニーというベースマンもいたという。

  2013年11月9日に放送されたNHK−FM「児山紀芳のジャズ・トゥナイト」での穐吉敏子デビュー作誕生60周年記念特集番組のエアチェック・カセットテープを、センチメンタル・ジョーニー?に贈ってもくれました。「花が好き、音楽が好き、その中で生きられる今がすき」と花々のハッピネスカードが添えられ、「温泉の露天風呂でセンチメンタル・ジャーニー≠口ずさむのが私の至福の時。元気と現金あれば、盛岡に珈琲飲みに行けるので、がんばります」と病と闘っている様子。その後には母恵夢(ぽえむ)のブランデーチョコケーキ「夜明けのブルース」が届けられ、今、タバコの人と僕たち夫婦でその五木ひろしの曲を歌っている。
(カフェジャズ開運橋ジョニー店主) 


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