盛岡タイムス Web News 2014年  1月  9日 (木)

       

■  〈岩手からのカナダ移住物語〉87 菊池孝育 BCSC報告書の内容13


 ■内陸部収容地の管理(ADMINISTRATION OF INTERIOR TOWNS)

  その一 全般的運営(General Management)

  内陸部6カ所の収容地の実際の運営は、同じ方針で行われることになる。つまりカズロ、サンドン、グリーンウッド、スローカン、ニュー・デンバーそしてタシメの6カ所の抑留地である。管理運営面において、ある種の差異が生じるのはやむを得ないことだ。所在地の状況、就労可能な労働の種類、そして日系人自身の出身地別のグループなどによって、各地の計画の実行と、実際的運営がある程度異なってくる。

  管理者と副管理者はそれぞれの収容地ごとに置かれ、管理監督の任にあたる。総管理者は助言と報道担当の役員を兼ね、前述の5カ所の収容地プロジェクトの総監督の役目を担う。タシメだけは、遠く離れた地点であるから除外されたのである。

  しかしながらそれぞれの収容地の管理者が、BCSC本部に対して基本的責任を負うことになる。実際内部の実務は日系人スタッフに任せられている。

  福利厚生と経理部門は両方とも専門分野の実務者がいて、各収容地管理者とたいていの場合協力して事を進めるが、両者はまた、バンクーバー本部のそれぞれの部門長に直接責任を負うことになっている。

 その二 福利厚生(Welfare)

  本委員会の監督下にある内陸部収容地プロジェクトの日系人の福利厚生は、防衛地域からの退去が完了した現在、本委員会が負うべき継続的責任の一端である。

  一方、内陸部収容地の多くの日系人は将来、カナダの労働力不足緩和に貢献するため、再移動することになるであろう。雇用機会を得られないか、あるいは働けない日系人には、生活保障を与えなければならない。

  それにしても、面倒を見てくれるという正当な保証がなければ、決して家族を置き去りにしようとしないのは、無視できない日系人男子の特徴なのである。

  それに忘れてならないことは、日系人全体が彼らの意に反して、家と生計手段を奪われ、当局によって一方的に定められた地域に、強制移住させられたという事実である。この異常事態によって、政府および社会関係者が、かつて遭遇したことのない諸問題を引き起こしたのである。主にこれらの理由により本委員会内に福利厚生部門が設けられたのである。

  福利厚生部門のやるべきことは、まず最初に、有資格の者には生活保障が与えられることと、これを統括する政策が、BC州で既に実施されてきた政策と整合しているか、確かめることである。また、保護者のいない高齢者や子どもたちの問題がある。同様に食糧と衣服の問題もある。それらはみな、福利厚生部門で取り扱われる。

  この部門の組織は、本部の政策立案を担う総監督と、各収容地区の福利厚生部門の業務とスタッフを統括する地区監督、各地区福祉主任、その下には、個々の家族と家庭訪問や窓口を通して、個人的接触のある日系人のソーシャル・ワーカーなどで構成されている。

  福利厚生部門は、日系人に困難な新環境適応問題において、そしてこのような境遇では時折生じる不平不満といざこざを軽減することにおいて、日系人の支援を進めるのに大変よく機能している。



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