盛岡タイムス Web News 2014年  1月  24日 (金)

       

■  治水で遊水地計画 台風洪水の松川 集落単位の堤防設置と併用 盛岡市玉山地域協議会 県が抜本的な対策説明


     
   松川の治水対策について県から報告があった盛岡市玉山地区協議会  
   松川の治水対策について県から報告があった盛岡市玉山地区協議会  

 2013年9月16日の台風18号による洪水で多数の家屋に浸水被害が発生した一級河川松川について、県が遊水地や集落単位の堤防設置などによる抜本的な治水対策を計画していることが分かった。23日の盛岡市玉山地区協議会(福田稔会長)で、県県土整備部河川課が説明した。遊水地による治水対策は、県内では一関市の北上川、滝沢市の木賊川など、集落単位の堤防設置は一関市狐禅寺地内で既に事業化されている。治水対策の完了時期や予算規模、遊水地の場所などの概略を、5月に玉山区内で開催予定の治水対策案説明会で地域住民に説明。意見を反映した上で14年度中には大まかな設計をまとめる考え。

  台風18号で盛岡市玉山区内では、松川が氾濫し、川沿いの松内、古川、川崎、下田の各地区を中心に床上66戸、床下20戸の浸水被害が発生した。特にも同区内の川崎橋周辺で川が狭くなるため、下流の下田地区などに水が流れ込んだ。県では再度の家屋被害を防ぐには原形復旧に加え、抜本的な対策が必要との観点で治水対策を検討。

  今回、大規模な浸水被害が発生した最上流部の松内地区の上流へ一時的に水を貯め込む遊水地を整備し、大雨による急激な河川の水位上昇を抑える。河川課の高橋正博河川海岸担当課長は「家屋については9月16日の規模の雨でも再び浸水が起きないように、家の周りを囲むような堤防を部分部分に築いたりすることを検討している」と、集落単位で堤防を設置する対策も示した。

  一方で、農地の浸水などを防ぐ治水対策には膨大な費用と時間を要するために、今回の治水対策では人命や家屋などの財産を守ることを最優先にした。高橋課長は「上流の方でいくらためても、田んぼまでは浸水は避けられない」と農地の浸水被害については一定の理解を求めた。

  治水対策の基本方針は▽20年〜30年に一度降るような大雨に対して、再度災害を防止する▽地域社会(集落等)への影響をできる限り少なくする▽対策費用を考慮しつつ、できる限り早期に完成させる▽自然環境への影響をできる限り少なくする―など。

  県が示した治水対策について、同協議会の委員からは「家屋を守ることが前提で、農地については今回の雨以上であれば上がる可能性があることはやむを得ない話かなと思う。ただ、これについても地権者や耕作者、地域全体の意見を聞き、納得のいく対策にしてほしい」などの意見が出された。

  13年12月の査定を経て決定した松川の災害復旧事業については、コンクリートブロック積工などにより、約6億3500万円で全9カ所の現状復旧を実施。14年4月以降に着手し、14年度内の完成を目指す。

 


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