盛岡タイムス Web News 2014年  1月  24日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉184 草野悟 絵手紙と偉大な友人の死


     
   
     

 新しい年の初めなのに、サンタの絵手紙を持ってうっすら笑っていますのは宮古の「寿司うちだて」の親方です。この方、三鉄を勝手に応援する会の宮古支部長でもあります。昨年から、岡山の絵手紙教室の今井洋子代表ほか110人のお弟子さんたちが、あるご縁から宮古の鍬ケ崎仮設住宅で「絵手紙教室」をたびたび開いています。仮設住宅での絵手紙教室はいつも大人気で集会所は人であふれます。上手、下手は無関係、一言添える言葉に思いを込めます、と今井先生。それが人気です。

  今井洋子先生たちは、いつもたくさんの画材を岡山から送ってきます。それを集会所まで運んでくれたのが、岡山市から宮古市へ応援要員として派遣された「小谷辰士(こたに・しんじ)」さんです。都市整備のエキスパートで、難題を抱える宮古市の復興の中心的存在として猛烈に働いてきました。当初1年の契約でしたが、宮古市の強い要望もあり延長となりました。

  人柄もよく温厚で実直。被災者の方々への愛情をたっぷり持ったその仕事ぶりは、市役所の中でも尊敬され「市長の次に多忙な室長」と言われるほど頑張ってくれたのです。ところが、昨年10月の末、津波復興拠点整備事業の説明のため、津軽石小学校において説明会を行ったあと、突然の病に倒れ急死しました。岡山の皆さんの温かな絵手紙の仲立ちをし、宮古市では、駅前を中心としたコンパクトシティー構想に多大な尽力をし、復興になくてはならない偉大な方でした。

  小谷さんの死は、まさに戦死です。私たちは、こうして県外から支援に来てくれた方々が、地元住民以上に必死に取り組んでいただいていることを決して忘れてはなりません。

  岡山・絵手紙教室110人の皆さまが、小谷さんの残した宮古市との温かな関係を、その後もつないでくれています。昨年末にご覧のサンタの絵を描いたプレゼントをたくさん送ってくれました。鍬ケ崎仮設住宅の皆さんは「とても温かな気持ちのクリスマスになりました」と喜んでくれました。小谷さん、ありがとうございました。あなたは偉大な宮古の友人です。
(岩手県中核観光コーディネーター)
 


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