盛岡タイムス Web News 2014年  1月  27日 (月)

       

■  〈幸遊記〉159 照井顕 細川煌正の真空管魂


 五球スーパーなどと言われた昔の真空管ラジオ全盛時代、並四と呼ばれたラジオの組み立てにはまったラジオ少年は、そのまま大人になり、おやじいになった現在も、真空管アンプにこだわり、自分の好きな音楽を、いい音で聴く、あくなき音楽再生を追求し続け、自宅はもちろん!仕事場さえも、ステレオだらけ。しかも、そのほとんどを自分で組み立てた細川煌正(正彦)さん(60)。

  若き日、シカゴ、チェイス、スリードックナイト、サンタナなどの来日公演を聴き、かぐや姫など日本のフォークロックを経て、今はズーッとジャズのソフト・LPやCDをインターネットで買い聴く毎日。そして時折、生演奏会へも足を運ぶ。

  6B95・6GW9・6GB8・6V6・PCL84・KT88・2A3・300B・350B・はたまた送信管の845など、玉子焼きがあっという間にできそうなくらいの熱量を発する真空管アンプ群。大型スピーカー群、そのどれもが細川さんの手が入ったものばかりなのだ。

  細川正彦さんは昭和29(1954)年1月24日矢巾生まれ、盛岡農業高校園芸科を卒業して埼玉の植木屋で修業。高校時代に憧れた「ザ・ベンチャーズ」のエレキがきっかけで音楽が好きになり、ステレオ組み立ての方は、現在の仕事である火災報知器などの弱電機器工事の本業が高じたことからのようなのだが、自分の家の1町7反、他から預かる1町2反。その全ての作業を1人でこなし、コンバイン組合で彼が刈り取る広さも10町歩。2年前からは、不耕起直蒔(じかまき)栽培実験を始めて作った米だから食べて見て!と二足のわらじを履いて、ずっしりと重い米を担いで来たりする。

  ウイスキーを飲みながら、ジョニーの再生音を楽しみ、ステレオ談議。声はデカイが、心は優し。数年前ネットで見つけた同姓同名のジャズピアニスト「細川正彦」のジャズアルバムを手に入れて以来、彼のCDを全部そろえ、僕にまで、笑いながらプレゼントをしてくれたりした。

  「必要は発明の母なり!鳥肌立つ、真に迫る再生音は真空管でしか味わえない!リアルかどうかということが一番なんだから!CDを聴くのでも違う。倍音が聴こえてくるからね」と、うれしそうに話す彼の瞳は、いつもこうこうと輝いている。
(カフェジャズ開運橋ジョニー店主) 


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