盛岡タイムス Web News 2014年  2月  11日 (火)

       

■ 詩人のポスト 「カメムシ」糠塚玲

  カメムシ      
           糠塚 玲

田舎ぐらしは
草も木も家族のようなもの
空気や土は親のようなもの

家は
戸と柱の隙間を
風が通り抜ける
カメムシも通り抜ける

いつのまにか
床にあおむけになっていたカメムシ
障子に当たる光は柔かい
そろそろ越冬の準備を始める時
食べ物は一切口にしない
仮死状態のまま春を待つ

忍者のような生き方は
厳しくて優しい
カメムシをとりまく愛の力

あのうすっぺらな体は
種の保存にかけた
神の苦心作

飽食にあけくれる人間達は
その先に
何が見えているのだろう


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