盛岡タイムス Web News 2014年  2月  21日 (金)

       

■  南部家の具足下着指定 大名家伝来、現存少なく 県文化財保護審 新規登録5件を答申


 2013年度の第2回県文化財保護審議会が20日、県庁で開かれ、盛岡市の所有する南部家伝来具足下着(2領)など5件の文化財指定を答申した。3月の教育委員会定例会の議決と告示を経て、4月上旬ころに県指定文化財として指定される。

     
  金茶繻子地亀甲革入具足下着(盛岡市教委提供)  
 
金茶繻子地亀甲革入具足下着(盛岡市教委提供)
 


  南部家伝来具足下着は、江戸時代後期に作られた金茶繻子地亀甲革入具足下着(きんちゃしゅすじきっこうかわいりぐそくしたぎ)と、江戸時代末期に作られた黒羅背板地亀甲散模様鎖入具足下着(くろらせいたじきっこうちらしもようくさりいりぐそくしたぎ)の各1領からなる。

  具足下着は具足(鎧=よろい、甲冑=かっちゅう)の下に着る衣装のこと。今回指定される2種類の具足下着は、いずれも表地と裏地の間に亀甲型の板や鎖、鉄の板金などを挟み込んで防護力を高めている。さらに上等の生地や材料をふんだんに使い丁寧に作られており、所有者は不明ながら南部家当主の所有を容易に想像させる。合戦のない時代に具足を整えるだけでなく、防護力を高めた具足下着を備えていたことは、南部家の武装の特徴の一端を示すものとされている。このような防護力の高い大名家伝来の具足下着の現存例は全国的に見ても少ない。現在は同市内丸のもりおか歴史文化館に保存されている。

     
  黒羅背板地亀甲散模様鎖入具足下着(盛岡市教委提供)  
  黒羅背板地亀甲散模様鎖入具足下着(盛岡市教委提供)
 


  この物件は12年度の第2回県文化財保護審議会(13年2月に開催)で「南部家伝来御護着(なんぶけでんらいおまもりぎ)」として有形文化財(工芸品)の諮問をしたが、指定名称の意見がまとまらずに継続審議となっていた。13年8月に外部有識者に現物を見てもらうなど意見を踏まえ、諮問名称を変更し今回の審議、指定につながった。

  同審議会では、二戸市の天台寺が所有する中世の長胴太鼓(ながどうたいこ)一張が有形文化財(工芸品)に、遠野市の駒木鹿子踊り、長野獅子踊り、板澤しし踊りが無形民俗文化財にそれぞれ指定された。また、奥州市の太田家住宅(太幸邸)の構成要素のうち、旧銀行が東日本大震災により破損し解体されたため、指定の一部解除と名称などの変更が行われた。今回の指定による県指定文化財総数は371件となる。


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