盛岡タイムス Web News 2014年  3月  5日 (水)

       

■  紺屋町番屋を寄付へ 町内会と消防団が盛岡市に 地権の係争は最高裁で決着



     
  盛岡市に寄付される紺屋町番屋  
 
盛岡市に寄付される紺屋町番屋
 

 盛岡市紺屋町の紺屋町番屋が来年度、盛岡市に寄付される。紺屋町番屋は市消防団第5分団屯所として2005年まで使用され、現在は紺屋地区コミュニティ防災センターに機能を移した。市指定保存建造物として、火の見やぐらが盛岡のシンボリックな景観となっている。盛岡市への寄付、活用に向けて消防団と地元住民が地権者の名義を整理しようと、所有権移転登記訴訟を起こし、2月末に結審した。建物は紺屋町町内会(平井興太カ会長)と第5分団(川村新団長)の所有になり、市に寄付して歴史的建造物として活用を求める。

  紺屋町番屋は木造2階建て、1913(大正2)年建築で老朽化し、営繕を要した。現在は空き家になっている。番屋の地権者は当初の11人が、代替わりによって権利者の数が増え、県内外に分散していることが分かった。権利者すべての同意を得る作業は膨大なものとなり、盛岡市への寄付と活用にあたって、大きなネックになっていた。権利者は当初の11人から子孫への相続などを経て、63人に上った。

  地元住民らは2008年に紺屋町番屋保存・活用委員会を設立。盛岡市への寄贈と活用を求めて運動し、多数の名義に分かれていた所有権を整理するため、法的手続きを取った。

  建物の歴史的価値と地元の活用の意向について、大多数の地権者の同意は得られたが、1人の納得が得られず、最高裁まで上告していた。最高裁は2月27日、上告を棄却し、町内会と分団側の勝訴で結審した。今後は裁判の事後処理と移転登記の事務手続きを行い、来年度にも盛岡市に寄贈する。

  番屋保存・活用委員会の白澤國雄事務局長は、「これから名義変更をどのような手続きでやっていけばよいか、担当者と話し合い、盛岡市が保存活用に向けて検討し、盛岡の観光を含めて役立ててほしい。紺屋町も地元から意見があると思う」と話し、長年の懸案に決着を付けた。

  紺屋町番屋は2階に30畳の広間、1階には車庫があり、盛岡市内に唯一残る洋風番屋として貴重な建築。屋上の六角形の火の見やぐらは観光客に盛岡のたたずまいを印象付ける。

  白澤事務局長は「周りには岩手銀行の赤れんがや、茣蓙九があり、紺屋町の入り口の番屋とセットで観光に役立ててほしい。住民にも消防団にも大切な記憶がある建物だが、古くなって、だいぶ傷んでいるので、盛岡市にお願いしたい」などと話している。
 


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