盛岡タイムス Web News 2014年  3月  8日 (土)

       

■ 〈おらがまちかど〉4 盛岡市 鉈屋町内 水が抜かれる清掃の朝 大慈清水用水組合 地元の力で守る「遺産」



     
  毎週の清掃では6槽ある大慈清水を隅々まで磨く  
  毎週の清掃では6槽ある大慈清水を隅々まで磨く
 

 盛岡市鉈屋町。風情漂う町家が軒を連ねる街角に、静かに流れる大慈清水がある。同清水は、明治初期に有志によって木管で引かれた大慈寺境内の湧き水が原型となっている。1976(昭和51)年に湧き水は枯れたため井戸を堀り、現在まで利用されている。清水を管理し、守り続ける住民らに話を聞いた。

  同清水は、大慈清水用水組合が管理している。組合員数は約50軒で、活動は各戸からの組合費や地区外利用者の利用料、敷地内の駐車料などで運営される。毎週金曜には朝7時半から約1時間、清掃活動を行う。普段は組合の世話人とボランティアの8人ほどで清掃し、もりおかワカものプロジェクトのメンバーや河南中の生徒が参加することもある。同組合の代表代理を務める島村凡平さん(77)は「この地区のシンボル、名所でもある。井戸を中心にしたイベントなどもうまく声を掛け合っていきたい」と話す。

  清掃後には話し合いの時間も設け、修理の必要な箇所への対処も講じる。年一回、水質検査や放射性物質測定を行い、安全な生活用水としての清水を保っている。

  畠山朝香さん(28)は、同清水に隣接するなたや町鍼灸(しんきゅう)接骨院の同僚らとボランティアで清掃に参加する。「冬は凍るし、夏はコケがたくさん出て大変。でも清水の利用者に感謝されたり、患者さんと話題にできるのがいい」と語る。

  清水の管理に数十年携わる兼平史子さん(76)は「清水は鉈屋町の文化遺産のようなもの。水を使わなくても会費を払っている人もいる。地元の人はここが好きで、あった方がいいと思っている」と意義を感じている。

  島村さんは「今は60(歳)を超えた人たち中心で管理している。次の代へ引き継いでいくために、若い人を井戸掃除に誘っていきたい」と話している。
(相原礼以奈)




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