盛岡タイムス Web News 2014年  3月  11日 (火)

       

■  〈大震災から3年〉文具使って被災地支援 寄付付きボールペン 県立大生を中心に始動 しまもぐプロジェクト


     
  沿岸支援のプロジェクトを始動させた県立大の吉田さん、木村さん、中田さん(左から)  
  沿岸支援のプロジェクトを始動させた県立大の吉田さん、木村さん、中田さん(左から)
 

 滝沢市巣子の県立大では、2011年に入学した社会福祉学部の学生有志を中心に「しまもぐプロジェクト」が始動した。筆記用具製造業のゼブラ、県共同募金会、地元企業の平金商店から支援を受け、沿岸被災地への寄付付き商品を開発。「どこにでもあるボールペンを、どこにでもないボールペンへ」と知恵を出し合った。土掘りよりも、素潜りが得意なモグラのキャラクターも誕生。学生の思いが詰まった寄付付きボールペンは、4月から販売を開始する。

  商品はゼブラ社のボールペンを土台に学生らでデザインを考えた。軸には「岩手県立大×ZEBRA×赤い羽根のマーク」を印字し、クリップ部分にキャラクターの「しまもぐ」を配置した。シマウマ柄の鉢巻きをしたモグラで、根っこは人情味あふれる岩手大好きなおじさん。原案は、ビッグダディこと林下清志さんが提供した。

  応援ソングも、地元ミュージシャンに依頼。アンダーパスの復興応援ソング「ONE」の起用が決まった。そのほか、インターネット上のフェイスブック内で県立大の仮想学部「しまもぐ学部」を新設する考えも。コミュニティーを作り、震災から4年目の今を発信する。

  有志の吉田葵さん(21)は=福祉経営学科3年=は「販売を通じて、震災を忘れないでほしい気持ちを周囲の人たちに伝えたい。震災から3年、私自身を含めて、岩手の人に沿岸を感じてほしい。学生最後の年になるが、自分が今できることをやっていきたい」と思いを形にする。

  宮古市出身の木村綾花さん(21)=同3年=は古里の惨状を目の当たりにし、あらゆる感情を抱えて入学した一人。「入学から半年がたてば、みんな震災のことを忘れていた。沿岸と内陸では温度差があると感じていた。けれど沿岸だけの問題ではない。災害はどこにだってありうること。地域のつながり、人のつながりの大切さを胸に、復興への一助として熱い気持ちを届けていきたい」と話す。

  中田悠さん(21)=同3年=は「被災地に行って初めて分かることがあった。私以外にも、沿岸のために何かしたいと思っている人がいるはず。ペンを購入するだけで役に立てる仕組みなので、皆さんに知っていただきたい。反応は未知数だが、私たちの持っている思いをうまく伝えていけたら」と知恵を練る。

  4月、まずは同学内の売店で販売を始める。そのほか法人相手の販売も視野に入れている。同大福祉経営学科の宮城好郎教授は「持続可能な仕組みを作り、息の長い取り組みにしていきたい。どこにでもないボールペンへ、付加価値をつけて売れるかが課題。まずは愚直に販売していきたい。足元から」と地道な一歩をつなぐ。


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