盛岡タイムス Web News 2014年  3月  14日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉190 草野悟 至福の早採りワカメ


     
   
     

 茶色のワカメを湯に入れた途端、瞬間鮮やかなグリーンに色が変わります。その2秒後、ポン酢のタレにつけ、素早く口に運びますと、「し・あ・わ・せ」とうなってしまいます。

  もう皆さま、ご存知の「間引きワカメ」。すなわち「早採りワカメ」です。12月の末から2月の初めまで、極寒の海の上で、手で一本一本、ワカメの茎から幼葉を間引いていきます。昔はそのまま海中へ投棄していたくらい、あまり値がつかない「余りもの」だったようです。大震災前から徐々に、そのおいしさが見直されてきました。5年前は宮古の魚菜市場で1`100円程度。漁師からは大きなゴミ袋に入れた5〜6`もあろうかと思えるワカメをよく頂いたものです。

  かみ応え、風味、潮風の香り、ふにゃふにゃの幼いワカメの赤ちゃんが、実に、しゃきしゃきと小気味よい音を出してくれるのです。これぞ岩手の冬の味。名物の毛ガニは高級ですけど、冬の味覚の代表としては全く遜色ありません。しかも格安。栄養満点。つまり…言うこと無し、なのです。間引きを終えたワカメは、春先、栄養たっぷりのきれいな海水にもまれ、立派なワカメへと成長していきます。「三陸ワカメ」と世界に名だたるブランドとなるのです。

  実は、宮古の「うちだて」という寿司(すし)店で、田老と重茂、山田の「早採り」を食べ比べてみようとなりました。利き酒ならぬ利きワカメです。田老のワカメは、さすがに真崎ワカメというブランドの元、海の香りが口いっぱいに広がります。重茂は、荒々しい岩礁でもまれた、たくましい味です。山田は、リアスの海らしく女性的に優しい味です。

  で、友人3人で目隠しテスト。結果は、3人全員撃沈。当たり前です。ただただ、グルメぶっただけでした。「うまい」この言葉だけが共通でした。岩手のワカメは最高です。また一年待ちます。おいしい岩手の海の幸が、またひとつ復活してきました。
(岩手県中核観光コーディネーター) 


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします