盛岡タイムス Web News 2014年  3月  30日 (日)

       

■ 〈体感思観〉 規模は関係ない学校への誇り 編集局 泉山圭

 先日、盛岡市立浅岸小が127年の歴史に幕を下ろした。閉校式では、在校生と卒業生5人が「浅岸小で過ごした日々は一生の宝となった」と、別れの言葉を述べた。校歌の合唱では、涙を流す人の姿もあった。私自身は母校がなくなるという経験をしたことはないが、閉校式は、姫神小に続いて2回目の取材。母校との別れを惜しむ卒業生の姿に、いつも目頭が熱くなる。

  今年は浅岸小に先立ち、薮川中、外山小が閉校した。近年は児童生徒数の減少で閉校が増えている。昨年まで担当していた雫石町も現在、小学校の適正配置が検討されている。適正配置の検討で必ず扱われるのが、大規模校と小規模校のメリット、デメリット。

  私が卒業した盛岡市立厨川小は、当時1学年が100人以上の大規模校だった。集団生活が当たり前で、もちろん学校規模など考えたこともなかった。小規模校について、深く考えさせられたのは2006年に取材した雫石町立大村小だった。

  適正規模、配置を検討する中で町教委は、町内の全小学校で教育懇談会を開催。最も児童数が少ない大村小には、保護者や地域住民が多数参加した。その中で、当時の田代和男校長が言った言葉が今でも印象に残っている。

  「小さな学校がいいか、悪いかはその場にいて、中にいて分かること。自信を持って言えるのは、小さくて密度が濃い分、いろいろな人と関わりを持つ。人数が少ないからということでは、子どもたちはひけを取らない」

  同校では地区の伝統芸能「山祇神楽」を児童と地域が一緒に舞い継ぐなど、地域全体で児童を育てる環境ができている。学習では、児童一人ひとりが積極的に発言する姿もあった。確かに大規模のメリットはあるかもしれないが、小規模が決してデメリットではないと感じた。

  閉校した浅岸小の児童は、学校がなくなることに寂しさを感じながらも、交流学習などを通して仲良くなった山岸小の児童と春から学ぶことを楽しみにしていた。一番大切なのは、規模の大小ではなく、子どもたちがこの学校を卒業して良かったと思える教育環境を考えることだと思う。


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