早春の北イタリア、フィレンツェを皮切りに始まった不来方高校合唱部の演奏旅行。その後一行43人は、ベネチアを経由して、私の住むアルプス高原の町アジアゴへ。
この合唱部のアジアゴ訪問は、今回が3度目。歌声の素晴らしさ、礼儀正しさは、今もアジアゴの人々の語り草になっているのです。
一行が到着した夕方、休む暇もなく、大聖堂でミサに献歌。そして、翌朝8時すぎ、アジアゴ小学校でコンサート[写真]、そして劇場に移動し、中・高校生を招いてのコンサート。
強行軍の日程ですが、晴れ渡った空のもと、合唱部員はみな元気いっぱい。この日のために、イタリアの唱歌から日本の童歌まで用意するというすてきな演出と歌声に、大きな拍手が送られました。
イタリアンピザ店での楽しい昼食の後は、幼稚園児との交流会と市庁舎表敬訪問。わずかな自由時間に、土産店をのぞきながら歩く不来方の生徒たちに「ありがとう」と日本語で、声を掛けるアジアゴの若者たち。「チャオ!」と手を振り応える不来方の生徒…。その様子がほほ笑ましく、うれしく感じられました。
その間、わが家で、付き添いのお母さんたちが作り上げたのはおにぎり100個。それを頬張り、最後の夜は大聖堂でアジアゴ合唱団とのコンサート。「花は咲く」を日本語とイタリア語で歌い、大盛況でした。
旅が終わって数日後、4月から大学に進むという佐々木瑞穂君から「アジアゴ小学校の生徒たちが歌ってくれたイタリアの歌を教えてほしい」という連絡がありました。
その歌の題名を日本語に訳すと「小さなすてきなこと」。歌詞は「…朝窓を開けたら思わぬ雪景色! テレビを付けたら、偶然見逃した番組! そんな小さな出来事、すてきな出会いがあるから毎日が楽しい!」
アジアゴの人々にも、合唱団の生徒たちにとっても、この2日間は、まさに忘れえぬ「小さなすてきな出会い」だったようです。
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