盛岡タイムス Web News 2014年  5月  3日 (土)

       

■  難病と闘い目指す甲子園 高校最後の年を悔いなく 盛岡中央野球部 巣内克哉投手 きょうから盛岡地区予選


     
  難病と闘い、高校野球最後のシーズンへ向かう巣内君  
  難病と闘い、高校野球最後のシーズンへ向かう巣内君
 

 「移植を受けなければ立てないマウンドだった。親や医師には、お世話になったと改めて感じた」。盛岡中央高校野球部で投手を務める巣内克哉君(3年)‖右投右打‖は、昨秋の大会を振り返る。再生不良性貧血という難病と闘いながら、ついに迎えた高校野球最後のシーズン。春季盛岡地区予選のメンバーに登録された。「残り少ない高校生活。毎日の練習を大切に、甲子園に行くのが目標」と意気込む。

  再生不良性貧血は、骨髄にある血液細胞の種にあたる細胞(造血幹細胞)が減るために、赤血球、白血球、血小板の全ての血球が減る病気。難病情報センターのホームページによると、全国の患者数は約1万2千人。原因は不明とされている。

  巣内君は中学2年の6月に発症。日常生活に支障はないが、野球を続けるには骨髄移植が必要と言われた。本人は野球を続けたいと強く願い、家族の後押しもあって同年8月に姉から骨髄移植を受けた。ほぼ完治している現在も、消化器系の不調が起きたり、強い日光に当たると肌が荒れたりするため、月に1回程度の通院を続けている。

  宮古市立川井中出身。高いレベルで野球を続け、甲子園を目指すため盛岡中央へ進学した。下宿をしながら、仲間と同じように部活動に励んでいる。練習だけでなく、グラウンド整備などの雑用も仲間とともに笑顔で取り組む。両親も理解を示し、入部に際し「普通に部活はできるので、当たり前に扱ってください」と指導者らへ申し入れた。

  同校は今年も守備を中心としたチームを目指しているため、投手である巣内君に掛かる期待は大きい。佐々木大輔監督は「試合では気持ちを前面に出すため、頼もしさを感じる」と信頼を置く。

  昨年の秋大会で初の公式戦登板を迎えた。地区予選準決勝(8月30日)の盛岡四戦では先発を務め、180a台の長身から、気合十分の投球を展開。「あの試合は緊張した。初回に4失点してしまったが、打線を信じて投げ続けた」と延長15回を一人で投げ切り、チームを勝利に導いた。

  最後の夏に向け、昨冬から下手投げに転向。最速130`近い直球とスライダー、シンカーを操り、右打者にめっぽう強い。また、上半身と下半身の連動が向上し、打撃も向上。登板時以外は一塁を守り、攻撃にも期待が掛かる。

  「目標とする投手は、上手投げの時はダルビッシュさん(大リーグ、テキサスレンジャース)で、下手投げになってからは牧田和久さん(西武ライオンズ)。信頼される投手になるため、安定感をもっとつけたい」と話している。

(佐々木貴大)



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