盛岡タイムス Web News 2014年  5月  11日 (日)

       

■ 体感思観 軽トラのゆるキャラ? 菊地由加奈

 カメラを構えていると、ヨーヨーを持った男の子が「この野菜、なんて言うの」と指さした。「ネギだよ」と店主。ちょっと考え、小遣いでお買い上げ。満足そうにピースサインをしてくれた。軽トラ本人は、まさか自分の背中が店になるとは思わなかったはずだ。

  今年、一発目の元祖しずくいし軽トラック市が4日にあった。軽トラ市とは、軽トラの荷台を直売所にした朝市。軽トラの所有率が高い雫石ならではの手法で、よしゃれ通り商店街で2005年から始まった。以来、雫石が元祖と名乗り、軽トラ市界をけん引してきた。

  新鮮な野菜はもちろん、珍味やほうき、流木のオブジェなど、オーナーのキャラクターによって売り物は千差万別。売り場のおおよその広さは1・40b×1・90b。ちょっと見渡すと品物の様子がざっとつかめ、間口一間分の距離感で生まれる店主との会話は、ほのぼのとしている。

  無理をせず、その時期に売れるものを、自分が売りたい値段で売る―。そんなルールが穏やかな空気の素になっているよう。少々の品薄状態も、ご愛嬌(あいきょう)。散歩気分で歩いていると、財布のひもも緩んでしまう。今年は10年目ということで、何やら9月に初の全国市を企画中だ。

  元祖がご近所にあると、「二番煎じはやめとこう」と思うが、実行委員長の相澤潤一さんは「県内のいろんなところで軽トラ市をやってほしい。その方が、特色が出て面白い」と軽トラ方式を大いに勧めている。

  雫石だけでなく、軽トラはこの辺りの必需品。この方法なら気楽に店が出せて、合理的。歩行者天国に車が入るという状況はネックだが、雫石を起点に軽トラ市が広がっていけば新たな名物になりそう。事務局の雫石商工会では、視察希望の受け入れ態勢が整っている。

  まだまだ可能性を秘めた軽トラ市。4日は、店の看板に「10年を機に、軽トラ市共通のゆるキャラを」としたためる店主も現れた。雫石のキャラクターと言えば「しずくちゃん」と「ケキョきち」。ゆるキャラブームに乗って、次は軽トラの出番?


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