盛岡タイムス Web News 2014年  5月  12日 (月)

       

■  めだかの学校 目と耳を開いて10年 ♪誰が生徒か先生か♪ 小赤澤さんが自宅兼アトリエに開設 雫石町下町東に生涯学習塾


     
   「還暦を過ぎると、みんなが先生で達人。私自身も学んでいる」。めだかの学校として自宅を開放している小赤澤さん  
   「還暦を過ぎると、みんなが先生で達人。私自身も学んでいる」。めだかの学校として自宅を開放している小赤澤さん  

 雫石町下町東の「めだかの学校」はこの春、開校10周年を迎えた。めだかの学校とは、「誰が生徒か先生か」と童謡の一節にならい、小赤澤直子さん(68)が自宅兼アトリエに開設した生涯学習塾。手を動かし、お茶を飲み、「なんだか分からないんだけれど、楽しい」という時間を積み重ねてきた。10年の感謝を込めた作品展は31日まで、同塾2階で開かれている。モヤシから始まった水彩画約70点や着物のリメーク服を展示。東日本大震災津波以降の沿岸での活動報告もしている。

  毎月第2、4月曜日は着物のリメーク教室。たんすに眠る着物地にはさみを入れ、新たに普段着に仕立てている。展示では、矢絣模様のワンピースや帯のバッグなどが並ぶ。

  水彩画は毎月第2、4土曜日。赤と青と黄の三原色で色を作り、モヤシやタンポポなど季節の野菜や草花を描いている。当初は「武内学級」の名で開催。原発事故で福島県から盛岡市内に避難してきた武内和雄さんから、いろはを教わった。講師を依頼した小赤澤さんは「最初のモデルが一本のモヤシで感動した」と振り返る。今は8人の仲間が集う。

     
   矢絣(がすり)のワンピースなど着物リメークの作品  
   矢絣(がすり)のワンピースなど着物リメークの作品  


  震災から1年の慰霊祭を前にした2012年2月。大槌町の仮設集会所へ夢灯(あか)りの指導に赴いた小赤澤さん。帰り際、「これって着物じゃないですか。支援の着物で服が作れますか」と一人の女性から呼び止められ、今では大槌町や大船渡市、陸前高田市でも着物のリメークを教えるように。車で往復6時間以上だが、「沿岸の方たちは健康的なものの捉え方をする。やってみようと素直に受け止めていただける」と得るものは尊い。

  「沿岸に行って余計に気づいたが、内陸だって歳がいくと一人。私は早くに一人暮らしになったが、しゃべったり、笑ったり、感動することが人生でどれだけ大切か。死にたい時は死ぬことしか考えない。今、生きていることを伝えたい」

  目も耳も大きく開いて、にこにこ笑顔で対応すると相手もついてくるから―。つまずいた時は、こう唱えてきた。これからの10年も「子どもからお年寄りまで、ここが癒やしの場になってくれたらいいな」と小赤澤さん。「みんな楽しく、集まれる場所を開放していきたい。寝るところ以外は」と笑い、今後も人の輪をつないでいくつもりだ。

  同学校は雫石町下町東79の7、てづくりカフェ・キャロット内。


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