盛岡タイムス Web News 2014年  5月  14日 (水)

       

■  地域ぐるみの活動へ広がり 発達障害の子と家族支援 みすず広場とNPO紫波ing


     
   「みんなちがってみんないい」を合言葉に支援活動を展開する高橋代表理事、阿部代表と娘の千尋さん、紫波ingの森田麻里理事(左から)  
   「みんなちがってみんないい」を合言葉に支援活動を展開する高橋代表理事、阿部代表と娘の千尋さん、紫波ingの森田麻里理事(左から)
 

 紫波町では発達特性(障害)のある子どもやその親へ向け、住民団体やNPO法人が中心となった地域ぐるみの支援活動の輪が広がりつつある。同町で支援活動を行うみすず広場(阿部圭子代表)と紫波新聞を発行するNPO法人紫波ing(しわいんぐ)=高橋力代表理事=は今年度から、発達の違いがあっても地域で自立した生活を送れる社会の実現を目指し「みんなちがってみんないい」事業と銘打った活動を展開。当事者の支援に加え、発達特性に対して理解を得るための広報活動を行いながら、誰もが暮らしやすい地域の実現を目指している。

  発達特性のある人の症状は多岐にわたり、知的障害の有無が各種福祉支援の大きな基準になっているという。そのほかにも自閉症や学習障害、運動障害などさまざま。学習障害の中でも読み書きだけができない、数字だけが理解できないなど、症状や苦労は人によって異なる。そのため、周囲の人が見ても気が付かない場合も多く、社会的な理解が遅れている要因にもなっている。知的障害を伴わないケースは福祉支援も手薄な一方、就職先などで人間関係がうまくいかないなど、本人しか分からない生活上の不自由さがあり、苦しんでいる人も多いという。

  同事業の活動は親を含む当事者への直接支援と、地域への理解を促す啓発活動の二つに分けられる。直接支援では町や社会福祉協議会など各機関と連携し、子どもの発達に心配がある家族が悩みを話せる場の開設、家族への指導「ペアレント・トレーニング」の実施、療育支援の提供など。啓発活動では、紫波ingが町内全戸に発行する紫波新聞を活用した情報提供やコラムの掲載、障害に関する映画の上映会の実施、地域住民との交流イベントなどを行う。

  支援活動そのものは2013年度に始まった。今年度は同事業に対するJTのNPO助成事業の補助金を活用しながら、みすず広場と紫波ingが手を携え、地域を巻き込んだ活動を押し進める。

  阿部代表は1年間活動してきて「発達特性は、子どものためにも早い時期に周りに知ってもらった方がいい。一方で親は隠したいという気持ちを持っている。活動してきて地域の現状が分かり、なんとかしなきゃいけないという気持ちが強くなった」と振り返る。阿部代表自身も、発達特性がある子どもを育てる。

  子どもの発達特性を親が隠す現状は、社会の理解が不十分であることの証明にもなっている。親が隠すことで、普通学校での生活、将来の就職先で苦労するのは子どもであり、同事業で進めているような有用な情報も入手・活用できない。発達特性の理解に対する社会の機運を高めるためにも、同事業への期待が集まる。

  阿部代表は「子どもたちのためにも活動を通して、少しずつでも、周りの人たちに理解をしてもらえれば」と事業に込める願いを語る。

  高橋代表理事は「できるだけたくさんの人々の中に『みんなちがってみんないい』の心が育っていけば。誰もがかけがえのない一人。愛情を持って活動していかなければならない」と力を込める。

  同事業に関する問い合わせは阿部代表(電話080−6032−0235)、みすず広場のホームページwww.misuzu-hiroba.com/まで。


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