盛岡タイムス Web News 2014年  5月  20日 (火)

       

■  岩手ホスピスの会 内野(タオル大手)と共同開発 がん患者用帽子を全国発売


     
   大手タオルメーカー内野と共同開発し、商品化されたタオル帽子。がん患者らからの感謝のはがきを手にする岩手ホスピスの会の川守田代表(左)と吉島事務局長  
   大手タオルメーカー内野と共同開発し、商品化されたタオル帽子。がん患者らからの感謝のはがきを手にする岩手ホスピスの会の川守田代表(左)と吉島事務局長
 

 盛岡市の岩手ホスピスの会(川守田裕司代表)と大手タオルメーカーの内野(UCHINO、内野信行社長、本社東京)は、抗がん剤治療で脱毛した患者のための「タオル帽子」を共同開発し、商品化した。今月から全国の百貨店で販売している。患者へのエールを込めたタオル帽子が広がり、活動への理解も深まるよう期待する。

  共同開発したタオル帽子は、柔らかなパイル生地や「マシュマロガーゼ」と呼ばれる同社独自の高級ガーゼを使用したものなど3種類。吸水性や通気性を重視し、縫い目が直接、肌に当たらないよう縫製も工夫してある。価格は2300円と3千円。売り上げの5%が岩手ホスピスの会に寄付される。

  同会は、患者の心の痛みを、少しでも和らげたいと、フェイスタオル一本でできるタオル帽子を考案。2008年6月から帽子作りの講習会や型紙の配布を始めた。手縫いのタオル帽子は「使いやすく、作った人の思いも伝わる」と大好評。09年からはクリスマスプレゼントとして、全国のがん診療連携拠点病院へ無料配布する事業にも取り組み、これまでに5万90個を発送した。同社も、活動に賛同し、工場の生産ラインで帽子を量産して同会に寄付するなど支援を続けてきた。

  タオル帽子を手にした全国の患者や家族からは、多くの感謝の声が届く。だが、帽子の発送だけでも経費は毎年、100万円以上。

  現在、盛岡地域の手縫いボランティア約20人をはじめ、仮設住宅に住む被災者グループなども制作に協力しているが、高齢者が多く、必要な個数をそろえるのも容易でない。苦労を察した同社が、活動費を捻出し、さらに多くの患者に「タオル帽子」を手にしてもらうきっかけになれば、と商品化を提案した。

  同社マーケティング戦略室の渡辺万由未マネージャーは「買ってでもタオル帽子が欲しいという人がいる。タオル会社として役に立てれば」と話す。 

  ボランティアによるタオル帽子の無料発送も継続していく予定。同会の吉島美樹子事務局長(52)は「帽子を必要としている、がん患者は、どんどん増えている。ボランティアだけでは、本当に一部の人にしか行き渡らない。販売をきっかけに、帽子の存在を知り、いろいろな形で、がん患者を支援するボランティアのネットワークが全国に広がってほしい」と願う。

  共同開発したタオル帽子は同社の通信販売サイトでも購入可能。問い合わせは内野(電話03―3661―7501代表)へ。岩手ホスピスの会の活動への問い合わせは、電話090―2604―7918へ。
 


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