盛岡タイムス Web News 2014年  5月  22日 (木)

       

■  短歌甲子園が宮崎にも 牧水の日向市で11年から 時代超え生誕地の奇縁 盛岡と同じ8月開催 まだ両市の交流企画なく


     
  石川啄木と若山牧水の親交の深さを物語る友情の歌碑(下橋中正門前)  
  石川啄木と若山牧水の親交の深さを物語る友情の歌碑(下橋中正門前)
 

 短歌甲子園がもう一つ? 歌人石川啄木の古里・盛岡市を舞台に第9回全国高校生短歌大会「短歌甲子園2014」(同大会実行委員会の主催)が8月28日から30日まで開かれる。歌人の若山牧水(1885―1928)の郷土宮崎県日向市でも同月、「牧水短歌甲子園」が開かれる。牧水は歌を通じて晩年の啄木と親交が深く、啄木の臨終をみとった。二人の不思議な縁なのか。100年の時を経て、それぞれの地元で高校生短歌大会が開かれている。

  牧水は1885年8月生まれ、啄木は86年2月生まれ。共に同時期、東京に住んでいた。啄木は牧水の詩歌雑誌「創作」に歌を寄稿。牧水は1912年4月13日に啄木の家族と臨終に立ち会った。二人を顕彰する歌碑が盛岡市を流れる中津川河畔、下橋中学校正門前に「友情の歌碑」として建立されている。

  奇しくも二人の郷土で短歌甲子園が同時期に開かれている。日向市では11年から始まった。今年4回目で開催は8月23、24日。

  盛岡市では例年盆休み明けの週末、日向市は盆休みの週末に開催。今年は偶然それぞれ1週間繰り下げ。盛岡市は正岡子規の古里愛媛県松山市で開かれる俳句甲子園との日程重複を避けた。

  日向市では1回目を宮崎県内の高校に募集を限定したが、徐々に九州などへ拡大。今年から全国に広げた。

  「同じ大会名で高校生が混乱しないか」。20日に開かれた盛岡市の実行委員会(会長・谷藤裕明市長)総会。情報を把握しているか質問が出た。市は認知していたものの、明確な対応を示さなかった。

  事務局の日向市教育委員会文化生涯学習課によると、1回目開催前に同じ短歌甲子園の大会名使用を盛岡市に伝えた。昨年には盛岡の短歌甲子園を3日間視察したという。

  募集を全国に広げた理由については「昨年東北から問い合わせがあったのに地域制限を理由に断った。せっかく問い合わせてもらったのをありがたいと思い、制限を取り払った。積極的な理由ではない」と説明する。

  両市とも大会名称をめぐる論争や出場者を奪い合うような状態にはなっていない。むしろ日向市側は啄木と牧水の縁を通じた展開へ期待がにじんでいた。先駆者である盛岡市側がそっけない。

  それぞれ大会は3人1組による団体戦形式が同じ。競技方法は異なり、日向市は生徒のディベート(討論)が重視される。このため合同開催や各市大会優勝校同士の対決ができる状態にはない。

  来年は10回目の節目を迎える盛岡市の短歌甲子園。今年は4月に全国各地の高文連を通じて公募したが、6月12日の締め切りを前に応募は20日時点でゼロ。大会運営にボランティアが協力する一方、県外資本からの協賛金が頼みの綱。チラシやスタッフTシャツ作成費の支出をめぐり、20日の実行委で疑問の声も出された。

  地元の盛り上がり、全国への情報発信、競技ルールや遠隔地出場の支援内容など、大会継続と発展に向けた課題の克服へ、知恵や工夫が必要だ。牧水短歌甲子園との共同企画による相乗効果など、打てる策があるはずだ。

    ◇  ◇

  盛岡市の短歌甲子園は啄木の顕彰などを目的に2006年から始まった。団体戦と個人戦(団体戦出場者のみ)がある。昨年は全国48校66チームの応募から36チームを選抜。今年も応募校から36チームが選ばれる。


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