盛岡タイムス Web News 2014年  5月  25日 (日)

       

■  〈ジジからの絵手紙〉63 菅森幸一「運動会」


     
   
     

 戦争で久しく中断していた運動会が再開された。最近は春に実施する学校が多いようだが当時は運動会は秋が定番で、ジジの学校の運動会の歌も「秋も最中の櫻城や花にも似たるモミジ葉と…」とあるように2学期の行事だった。

  待ちに待った運動会だが、何しろ当時のジジの学校の児童数は2千人を超えていたから全員が集まっただけで校庭がいっぱいになる。準備体操のときに体操の隊形に開くと後ろの列の連中は垣根のカラタチの木と格闘しなければならない。

  種目は徒競走のみ、一日で全員が走り終わるためには1レースの出場人数を多くする外はない。まるでマラソンのスタートのような騒然たる光景が出現する。

  大抵の男子はシャツに猿股(パンツのこと)という下着姿で、中には母親の手作りの「はだしたび」を履いてくる果報者もいたが、ほとんどは裸足だ。せっかくの一度きりのチャンスをものにすべく、いろいろ工夫もした。消毒・殺菌用に各家庭に置いてあるヨードチンキ(通称ヨーチン)を足に塗ると極端にスピードが出るという風説を信じた子どもたちで学校中がものすごい匂いに包まれたことも今は懐かしい。


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