盛岡タイムス Web News 2014年  5月  31日 (土)

       

■ 入梅前に暫定基準を 土砂災害防止へ県 市町村に作成求める

 

 県は、県内で想定される災害に伴う避難勧告や避難指示などを発表する場合の判断基準の改正・設定を市町村に呼び掛けている。国から4月に勧告などの判断・伝達マニュアル作成ガイドライン案が示されたのを受け、30日に盛岡市内で市町村担当者会議を開いた。各種災害のうち土砂災害に関しては入梅前に暫定基準の作成を改めて訴えた。

  基準を改正・設定する必要があるのは▽洪水予報河川▽水位周知河川▽土砂災害▽高潮▽津波の―5事象。

  この中で国、県は土砂災害、津波災害を2014年度に優先させ、暫定的な基準設定を市町村に求めている。県内では東日本大震災津波後に沿岸12市町村が暫定基準を設けていると判断。このため県は出水期前に土砂災害を最優先してもらうよう求めている。

  暫定をへて数年後までには全市町村で各事象の避難勧告などの判断基準を市町村に改正、設定してもらうことになる。氾濫危険水位などの見直しを14年度に行う洪水予報河川と水位周知河川、危険潮位や避難対象区域の確認が必要な高潮は15年度以降に着手される見通し。

  県が4月から今月8日までに実施した調査の結果、土砂災害の避難勧告などの発令基準の策定状況は策定済み11市町村に対して策定中15市町村、未策定7市町村となっている。策定済みのうち見直す予定が7市町村、予定なしが3市町村などとなっている。

  策定中、未策定のうち国から示されたガイドライン案で暫定的な基準策定が可能になったか問われると、可能になったが13市町村となった。一方で9市町村は「策定は進まない」と難色を示した。

  マニュアルでは勧告などの対象となる災害の危険性がある区域は土砂災害警戒区域と同特別計画区域、土砂災害危険区域。勧告などを判断する情報は大雨注意報・警報、土砂災害警戒情報、記録的短時間大雨情報、大雨特別警報、県や盛岡地方気象台による土砂災害警戒情報を補足する情報が挙げられる。

  一関市の担当者は「当市では警戒情報を受けて勧告を出すのは考えていない。市内に警戒区域は1500カ所あり、260カ所ある避難所を同時に開設するのは難しい。土砂災害で避難に慣れていないし
、勧告で避難するか疑問。危険箇所を重点巡回するなどし、危険な場合は2階への垂直避難、崖と反対側で就寝するよう呼び掛けている」と説明。

  市町村からの質疑では、地域事情や判断材料の不足、危険な場所の特定、住民への勧告基準の周知の難しさも想定された。この点は県も承知していた。

  大畑光宏県総合防災室防災危機管理担当課長は「検証のためにも一定の基準を作って運用してもらいたい。実際に運用して問題・課題が出て、対応できないものについては国にもの申したい」と述べ、理解を求めた。市町村を対象に6、7月に状況調査も行う考え。


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