盛岡タイムス Web News 2014年  6月  14日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 山下浩平 ふるさと再発見の日々


 記者として地元の自治体を取材に歩く日々は、ふるさとを改めて見詰め直すとともに、新たな発見も多く、意外と飽きない。そして最近、なんとなく分かってきたことは「ふるさとについて知ることの意義」である。豊富な知識を持ち「自分の生まれた土地について、知っておくのは重要なことだ」と教えてくれる人はいるが、なぜ重要なのかを教わった記憶はない。もちろん、確立された答えなどないのだろうが。

  先日取材した紫波町出身のシンガーソングライターのfuwala(ふわら)さんは、東京から10年ぶりに帰省し、町の魅力が詰まった曲を制作した。帰省し、ふるさとについて知らないことの多さに気が付いたという。「(帰省後の活動は)町を見詰め直す機会になり、良い環境で育ててもらったことを実感した」とも話していた。

  自分が生まれ育った場所は、いったいどんな場所なのか。現代よりも農業技術が劣っていた時代、冷害などに苦しみながらも、家族、子どもの食のため、必死に農作業に励んだ人もいただろう。十数年に一度は優秀な人間が現れ、住民のため、地域発展のために尽力したリーダーも存在したはずである。

  そのような先人たちの努力の積み重ねがなければ、今の自分はない。そのことは紫波町彦部公民館で11日に行われた、三井報恩会事業記念碑建立の取材でも、強く感じた。

  私は現在も実家暮らしであり、仕事柄、同世代の中でも地元についての知識は豊富だと思う。一方で、同級生の中には地元の魅力に気付かないまま、就職の関係などで町外に移住する友人も少なくない。今一度、自らのルーツをたどり、生まれ育った土壌について見詰め直すのも悪くないのではないか。



本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします