盛岡タイムス Web News 2014年  6月  22日 (日)

       

■ 木骨ハウスで農林活性 キートスファーム 適温管理で生産向上 木楽創研(大船渡)のモデル導入

     
  ハウス内で作業する南幅社長。現在はミニトマトの栽培が行われている  
  ハウス内で作業する南幅社長。現在はミニトマトの栽培が行われている
 

 盛岡市中太田の農業生産法人キートスファーム(南幅清功社長)は、間伐材を骨組みに活用した農業用ハウス「木骨ハウス」を導入し、生産活動に励んでいる。昨年、いわてアグリフロンティアスクール(事務局・岩手大農学部地域連携推進室)の研修で陸前高田市にある木骨ハウスを見学した南幅社長は、従来の鉄骨ハウスにはない温もりや優しさにほれ込んだ。内陸では第一号となる木骨ハウス。木質チップやペレットなどのバイオマス利用とも違う、間伐材活用の新しい形として注目されそうだ。

  同社の木骨ハウスは長さ約60bで幅約7b、約430平方b。使用された間伐材は約200〜300本に上る。鉄パイプのハウスと比べて強度が優れており、強風で揺らぐことはないという。施工したのは、大船渡市赤崎町の木楽創研(熊谷秀明社長)。木骨ハウスの工法の特許を取得している同社は、主に気仙地方の森林の間伐材を活用し、木骨ハウスの普及に努めている。

  木楽創研が木骨ハウスの普及促進するのは、材の付加価値を高めるため。山主への利益還元を含めた産業振興も視野に入れる。森林を健全な状態で保全するには、間伐により木が成長する空間を広げ、日光が降り注ぐ状態にすることが不可欠。間伐材の活用が促進されることで、森林保全や資源活用、林業など関連産業の振興と良質な循環が生まれる。

  農業用ハウスへ木材を利用することは、農作物の栽培に適した室内環境を保つことにもつながる。木は熱をため込まず、鉄骨ハウスよりもハウス内の室温の上昇を抑え、農作物の栽培に最適な環境を作り出す。

  木骨ハウスは4月に完成した。当初、南幅社長は新しいハウスを設置する際に鉄パイプか、木骨かで迷ったという。木骨ハウスは鉄パイプと比べて強度や室内環境は良質だが、約3倍の費用がかかる。決め手になったのは、同スクールでの施設見学で木造りの良さを感じたことだった。

  南幅社長は「木骨ハウスを初めて見学した第一印象として、金属にはない柔らかさ、優しさを感じた。有機肥料を使い、農薬を控えた栽培を行っているが、今後もより安全で、おいしいものを届けていきたい」と間伐材を使った農作業用ハウスの魅力を語った。

  熊谷社長は「森林で間伐を進め、木々の健全育成を図る保育間伐がなかなか進まない現状もあった。木骨ハウスへの間伐材の活用を進め、地域で資源を循環させることは大切。環境にも配慮した建物であり、当社の技術を全国に向けても発信していければ」と話していた。


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